海外で活躍する卒業生 第9話 峠崎洋介(70期、フィリピン)

   2014/04/03

海外で活躍する卒業生 第9話①

40年前、東京の晴海埠頭から、先輩後輩に見送られ、船で当時返還されたばかりの沖縄に寄り、フィリピンに渡航しました。フィリピンで生きたい、フィリピンで生きる、そのための渡航でした。たとえ仕事が見つからなくても、喉が渇けばヤシの実のジュースを飲み、お腹が空けばバナナを食べ、あとは何とかなるだろうと、自分を押し出して日本を飛び出しました。

フィリピンに着いてからは、すべてが初めての経験でした。日本を出るまで貧乏学生だった社会人としての経験がゼロの22歳が、どうやってこの異国で生きていっていいのか、毎日が手探りでした。フィリピンで知り合った日本人の紹介で仕事が見つかりました。大学の日本語教師、それからはホテルの副支配人、旅行社の支店長、日系商社の所長などを転々としました。ただ、ただ、フィリピンで生きていきたかったから…です。

お恥ずかしいことですが、これまでに倒産を2回経験しました。それでもフィリピンに行ったことを、後悔したことはありません。ましてや、日本に戻ろうと思ったこともありません。

実は、私にとって拓大は幾つかの受験に失敗したあとの最後の望みでした。ギリギリの3月27日の第二次入試になんとか受かりました。しかし、入った後は寮生活、クラブ活動で拓大にどっぷりとつかりました。私に拓大がなければ、これまでの40年間、フィリピンで生きてこられなかったかもしれません。

私をフィリピンに送り出してくれた拓大。フィリピンに行ったあとも、心の支えになってくれた母校拓大。拓大よ永遠なれ!拓大の精神よ永遠なれ!私は、フィリピンの「地の塩」になります。押忍!

海外で活躍する卒業生 第9話②