ようこそ先輩―車椅子社長の新たな道への挑戦―
「世界の中の日本」講師として、後輩たちにポジティブに生きることを身をもって教えた。
大塚訓平さんは、外国語学部英米語学科卒業(101期)の拓大の先輩。人と人の絆を結び、本人も会社を設立し町おこしや地域の復興などを胸にスタートした矢先に不慮の事故に遭遇し、脊髄損傷で車いす生活を送るようになった。大塚訓平さんのポジティブな生き方は、あらゆる人を引きつけてやまない。自分の仕事のみにとらわれず、子供達を交通事故から守る運動を展開しているかと思えば、バリアフリー推進もかねた体験型オープンハウスを完成させてもいる。それも単なるバリアフリーではなく、デザインにも優れ、誰にでも生活しやすい家なのだ。
「僕はラッキー障害者なんです。障害者はチャレンジドと言われるように、挑戦することを命ぜられた人。僕は挑戦し続けます。例えば365歩のマーチで、3歩進んで2歩戻るという言葉があるけど、だから1歩進んだという考え方の他に全部で5歩歩いた(行動した)と考えることもできる。2歩戻るのも必ずしもマイナスだと決めつける必要はないはず」と話す。
そして何よりも感動したのは、事故で入院し目覚めて一番最初に聞いた言葉が「命があればあとはかすり傷」と言ってくれた父親との絆だった。
八王子キャンパスC館101教室では、300人近くの学生が真剣に大塚先生の話を聴きノートをとる姿があった。ようこそ英米語学科卒業の大塚訓平先輩。
井上富美子(70期)