「母国は日本、祖国は台湾」著者・柯 徳三さん逝く

   2014/05/04

母国は日本、祖国は台湾

柯 徳三(か とくぞう)(旧制台北一中同窓会長、台湾の親日団体「友愛会」元運営委員) 2日、心不全のため死去。88歳。葬儀は2月中旬以降、台湾で行う。

「NHKスペシャル シリーズJAPANデビュー」に出演したが、発言を反日に利用されたとしてNHKに抗議していた。

祖父・柯秋潔氏は台湾で最初の日本語教育を受けた1期生で、その時の教師の1人が拓殖大学顧問(前総長)小田村四郎氏の祖父に当たる。秋潔氏は1911(明治44)年9月から1923(大正12)年3月まで拓殖大学で台湾語講師として貢献した。

言うまでもなく拓大の前身は台湾協会学校である。

徳三氏は1922(大正11)年に東京の本郷で生まれた。その生い立ちは自著「母国は日本、祖国は台湾」(2005年8月、桜の花出版、星雲社発売)で明らかだ。

日本統治時代の台湾総督府民政長官・後藤新平(第3代拓大学長)が英国イートンカレッジに範をとり、熱心に支援した総督府立台北一中(現・建国高級中学校)を首席で卒業し、旧制台北高校(現台湾大学)から台北帝国大学医学部を卒業したのが柯徳三氏である。

拓大教員の直系子孫が台北市で親日台湾人のリーダーだったことは、拓大建学110年目の今も校宝的存在だった。訃報に接して拓殖大学創立百年史編纂室(室長=福田勝幸常務理事)は直ちにお見舞いの手続きに入った。

学友会としても現地の台湾連合会(唐松章会長)と連絡を取った。