二人の特攻隊員

   2014/05/04

二人の特攻隊員

大西正祐 著 (高知新聞企業、2,190円=税別)

09(平成21)年2月、ちょうど1年前であった。学友会に大西さんという人から尋ね人の電話があった。高知県立中村中学校(旧制)―現中村高から拓大へ進み、白菊特攻機で戦死された水無瀬勇(みなせ・いさむ)さんのことで資料を捜している―とのこと。拓大予科から柔道部で鳴らした有名人(41期)だった。第14期海軍飛行予備学生の少尉だが、昭和20年6月21日、鹿屋基地発進、沖縄周辺の米軍艦船に突入戦死。

白菊とは海軍航空隊における偵察術機上作業練習機の名称で、5人乗り。木製プロペラで、鈍足である。特攻機としては爆装するので2人乗り、機内に補助燃料を搭載した。

「二人の特攻隊員」とは、中村中から予科練へ志願した2人のことしか詳細不明だったため。3人目の水無瀬さんの原籍は京丹後市大宮町三坂。詳しい情報提供を求めている。学友会あて。もう1人、高知商業から拓大相撲部の武内茂康海軍少尉(昭和22年病没)のことも。

拓殖大学創立百年史編纂室・宮澤正幸=専24期・51期