月刊Hanada 4月春嵐号
花田紀凱 責任編集(飛鳥新社、950円)
グラビア特集「あれから10年」は名取市の家屋をのみ込む大津波など忘れることができない自然の怖さが目を奪う。森喜朗集団リンチ事件大批判もコロナ・中国海警法に負けず批判の対象にあがった。
読めば読むほど面白いのは、「鬼才 伝説の編集人 齋藤十一」(森功=幻冬舎)から始まる。評者西川清史が70年代後半「週刊文春」記者だったころ、今のライバル「週刊新潮」に大きく水を開けられていたとか。その“新潮社の天皇”の足跡を丁寧に辿った一冊である。
更におもしろいのは、時を同じく発刊された「2016年の週刊文春」(柳澤健=光文社)のノンフィクション。両ライバル同士の舞台裏の比較は、めったに見られない大チャンス! 本稿筆者は、友人柳澤氏寄贈の新刊を早く読みたい。
[編集長から]に「きっと開かれるであろう東京五輪の開会式では、ぜひ最大の功労者として、遇してほしい。そう願っています。」わかります。森喜朗さんのことだ。(M)