サンチャゴ・サンパウロの旅~ピスコサワーとカイピリーニャ~

 

8月19日(日)朝6時、サンチャゴ空港到着。成田を出発し、ロス経由で実に25時間後。

細田訓子さん(67期)との南米旅行も4年目になる。か弱い私達のペアには、無理は禁物だ。フライト時間の長さにも、いつまで耐えられるかと不安を抱えながらの旅でもある。でも、今行かなければ、今が一番若い日なのだ。アタカマ砂漠やパタゴニアも気になるが、今回はサンチャゴ周辺だけでもチリを旅行したいと思い、いざ出発した。

チリ・サンチャゴ

サンチャゴ在住の高橋太三先輩(ラテンアメリカ西語圏連合会長・62期)から「チリは寒いので、暖かい服装を用意してください」とメールでアドバイスをいただいていたが、本当に寒い。空港の温度計が0℃だった。午前中は市内観光をしたが、街中を歩いていても鼻の頭がツーンとくる。8月は正に厳冬期なのだった。

到着した日の夜には、岸野友治先輩と高橋先輩から夕食をご一緒にと誘われていたので、到着日からピスコサワーをいただいてしまった。ピスコとは葡萄から作られた蒸留酒で、今まで飲んだことのない飲み物だった。そのピスコをベースにしたカクテルがピスコサワーだと先輩から教えていただいた。なんだろう、このソフトで爽やかな泡は!?3杯ぐらいは飲めそうな美味しさ。「これはとても強いお酒で、食前酒として飲むものですよ」と先輩から教えられ、1杯で止めておいて良かったと思った。因みに泡の正体は、卵白だそう。

サンチャゴの景色

サンチャゴはどこからでも、美しいアンデス山脈の姿が見える

チリは東にアンデス山脈が雪をいただき、西は太平洋に面した南北4,329㎞、東西の幅は平均175㎞という細長い共和国である。太平洋には南極からのフンボルト海流が流れ、夏は涼しく冬は寒い。

ホテルの窓から外を見ると、真っ青な空にアンデスの雪の峰々が朝日に輝いている。心が洗われる様な美しさだ。サンチャゴからこんなにも間近にアンデス山脈が見られるなんて、思ってもいなかった。街の真ん中を流れるマチョボ川は、流れも速く、川の畔を散歩すると、東から西に傾斜しているのがはっきりとわかる。アンデス山脈から真っ直ぐ太平洋に向かった細くて長い国なのだ。

1日目は、旧市街のアルマス広場・大聖堂・サンタルシアの丘・モネダ宮殿・中央市場などを見学。衛兵交代のセレモニーも見た。アジェンデ大統領の像や街中の建物にクーデター時の銃痕が今も残っている。国民投票で社会主義を選んだ後、クーデターにより軍事政権・共和国と揺れ動くチリで「政治の話はタブーですよ」と美しい日系女性から教えられた。

2日目は、ビニャデルマルとバルパライソ。3日目、4日目とゆっくりしたペースで、サンチャゴ周辺を観光した。ワイナリーの広大な葡萄畑も今は真冬でゆっくり休んでいる季節だった。市内の主だったところはほとんど網羅し、サンクリストバルの丘もゆっくり堪能することができた。

レストラン将軍

閑静な佇まいの「将軍」

8月22日の夜は、岸野先輩の経営するレストラン「将軍」でチリ支部総会を開いていただいた。サンチャゴで貿易の仕事をしている、箭原真理子さん(94期スペイン語学科)も駆けつけてくださった。会場となったお部屋の壁に、学友会チリ支部と南米西語圏連合会の旗が飾られていた。「将軍」はプロビデンシア地区という、高級ビジネス街・住宅街の中にあり、日本大使館からも近いところだ。

旭日双光章

岸野先輩は、平成19年11月3日旭日双光章を受賞


経済産業大臣賞


平成9年10月6日には、発展途上国の経済発展に寄与したことで、経済産業大臣賞を受賞した


将軍店内

前列右から、細田・岸野・井上、後列右から箭原・高橋(敬称略)刺身、煮物、寿司等に正気を失いそうでした

時間を忘れてお話に花が咲いた。岸野先輩の活躍は深田裕介「革命商人」を読んでいただきたい。夢のような一時だった。

サンパウロ着

アコンカグア

翼よ、あれがアコンカグアだ!サンチャゴからサンパウロへの機内から

8月23日18時30分サンパウロのグァルーリョス空港到着。島田政夫さん(74期)が迎えてくれるはず。

到着ロビーには、何とベレンからの御守和夫先輩(68期)もご一緒に迎えてくださった。ちょっと前に国内線で到着したとのこと。サンパウロのピクニックの為に、続々と集合しつつあるのだった。

サンパウロではいつものリベルタージ・ニッケイパレスホテルに宿泊。サンパウロも結構寒く、ここも南半球の冬期だったと改めて実感した。そして、到着した日からカイピリーニャを頂いてしまった。どうしてこんなにカイピリーニャは美味しいのだろうか?

西谷さんほか

8月23日夕食をご一緒していただいた。右から西谷・井上・御守・細田・島田(敬称略)


サンパウロの食事

サンパウロも美味しいものだらけ

ブラジル拓大ピクニック

8月25日8時ニッケイパレスホテル前に集合し、出発。行先は、サンパウロから50㎞ほどのARACARIGUAMA Ichiban.名前からもわかるように、日系人の経営するピクニック会場だ。いくつもの釣り堀に、周りは小高い丘に囲まれている。あいにくの曇天ではあったが、カイピリーニャを飲み、ケジョン(チーズの揚げ物)をどっさり食べ、周りを散策しピクニックの一日を堪能した。帰路はいつものサービスエリアで大量のコーンアイスを食べたのだった。

ピクニック集合写真

西谷ブラジル連合会長・御守アマゾン支部長・島田サンパウロ支部長・倉谷和憲さん・菊地高男さん・大田昭彦さん・勝俣豊さん・山根弘巳さん・細田さん・井上


ピクニック会場で

ピクニック会場で、バナナの花を見つけた


パウリスタ大通り

パウリスタ大通り

8月26日、御守さんにパウリスタ大通りへ案内していたき、ジャパンハウスやサンパウロ美術館を見学した。

連日のカイピリーニャにも、お別れする日が来た。

サンチャゴでもサンパウロでもすっかり先輩方にお世話になりました。またお会いできる日を楽しみにしています。皆様のご健勝を心よりお祈り申し上げます。お元気でお過ごしください。

井上富美子(70期)