平成27年度拓殖招魂社、拓魂碑春季例祭が4月23日(木)、拓殖大学八王子国際キャンパスで執り行われた。

拓殖招魂社春季例祭は大学の主催で11時から、快晴に恵まれた新緑の下、八王子・子安神社の神官によって厳かに行われた。

拓殖招魂者社は昭和8年、当時の在学生の呼び掛けに共鳴した卒業生の寄付により造営されたものである。この招魂社には明治37年、日露戦争に際し、中国で特別任務を帯びて活動中に拘束され、僅か25歳の若さで命を絶った第1期生・脇光三氏はじめ母校関係戦没者及び母校の建学の理念に共鳴し、殉じられた関係者396柱が合祀されている。

脇光三氏は東京・麹町に住む文部省官吏・浅岡一氏の三男として、明治13年12月誕生した。子供のない隣家の内務省官吏・脇他三郎氏の強い要望で、脇家の養子となった。明治33年4月、仙台の第2高等学校(現東北大学)医学部に入学したが、34年8月退学、同年9月前身の台湾協会学校に編入し第一期生となった。

当時ロシアの東亜に対する行動に感じることがあり、明治35年5月、渡清し活動していたが、特殊任務に就くことになり、その結果不幸にして前途ある若い命を絶つことになった。

烈士・脇光三氏の記念碑は、拓殖招魂社造営以前の昭和6年4月23日(恩賜記念日)除幕式が行われた。この記念碑は八王子国際キャンパスに移設され、母校を見守ってくれている。

学友会主催の拓魂碑春季例祭は福田理事長、小倉、工藤、溝口、河田4常務理事、渡辺総長はじめ大学幹部教職員、後援会早川常務理事、学生代表、学友会幹部が参列ししめやかに行われ、赤澤会長が式辞を述べた後、60人の参列者が献花した。この日拓魂碑には新たに学友157人、教職員3人、学生3人計163人が入魂され7629人となった。

拓魂碑は母校の卒業生、教職員、在学生の物故者の御霊を祀るため、昭和40年の学友会代議員総会で建立が決議され、大学の支援もあり、同43年11月完成・除幕された。

大内信哉(58期)

式辞

謹んで拓魂碑に祀られている全学友、全職員、全学生の御霊に申し上げます。

母校・拓殖大学並びに学友会は建学の精神を遵守し、力強く且つ逞しく歩んでおります。

今、世界にあっては中東、ヨーロッパ、アフリカ、アジアの一部において民族、宗教などによる対立が解消されることなく内乱、内戦、テロ行為が繰り広げられ、多数の死傷者、避難民を生んでおり、世界の不安が増しております。

我が国は、今年「戦後70年」の節目の年を迎えておりますが、周辺国との関係改善、安全保障問題、原発関連を含め、東日本大震災の復興、経済再生等困難な課題を抱えておりますが、懸命な努力が続けられております。

そんな中にあって母校・拓殖大学は、ルネサンス整備事業として文京キャンパスの再開発事業を進めてきましたが、この3月完了し高層ビルが建ち並ぶ、新キャンパスに生まれ変わっております。学友会は、微力ながらこの事業に全面的に協力してまいりましたので、事業完了を心から喜んでおります。

3月23日、母校は、平成26年度の卒業式を行い、五学部2,087人、大学院87人、留学生別科72人計2,246人が八王子国際キャンパスを勇躍飛び立ちました。

北海道短大の卒業式は、3月14日行われ、3学科166人が巣立ち、うち35人が母校・拓大に編入しました。また、拓大一高は3月3日、393人を送り出し、母校・拓大へ17人入学しました。

27年度の入学式は、4月4日、八王子国際キャンパスで行われ、五学部 2,417人、編入学86人、大学院129人、留学生別科60人 計2,692人の新拓大生が誕生しました。更に北短の入学式は、4月10日、3学科173人が入学、環境的にも恵まれている北の大地で2年間学びます。そして、拓大一高は、4月7日入学式を終え、希望に満ちた288人を迎え、新たなスタートをきりました。

本日、拓魂碑に入魂される学友は、昭和50年代、染谷会長時代の副会長、学44期・寺井 久元殿、元千葉県支部長、学51期・嶋田治朗殿始め、学友157人、教職員3人、学生3人、計6人が入魂され、合わせて7,629人となります。以上、謹んでご報告いたします。

拓魂碑におわします諸先輩の霊位には何卒、母校・拓殖大学、並びに学友会の未来をお護り下さいますようお願い申し上げ、式辞と致します。

平成27年4月23日
拓殖大学学友会
会長 赤澤 徹