訃報 アルゼンチン支部顧問 嘉瀬幸雄(学52期)

   2014/03/24

拓大学友会アルゼンチン支部顧問の52期嘉瀬幸雄先輩が骨ガン再発のため3月4日死去されました。享年82歳。謹んでご連絡申し上げます。

嘉瀬先輩は1931年千葉県東金市に生まれ、拓殖大学政経学部に入学。学生時代はラテンアメリカ研究会に所属。 1955年海外雄飛を志し、「俺の去りにしその後は、うわさなりともしておくれ…」と意気盛んに横浜港よりオランダ船ボイセバイン号にてアルゼンチンへ雄飛。アルゼンチンの北部パラグアイ、ブラジルとの国境を接するイグアスの滝で有名なミシオネス県で1年間働き、その後ブエノスアイレスに移り5年間JICA(国際協力事業団)に勤務。

1961年に亜国生まれの渡辺マリアさん(現福島県人会員)と結婚し2人の子供を設ける。1964年亜国の南部リオネグロ県のViedma市に広大な農園を取得し、果実栽培、花卉栽培、野菜の早生栽培に従事。

1970年代には、オートバイ、自転車、ヒッチハイク等にて、同農園を訪ねてくる現役拓大生たちを快くお世話されておられました。

1980年に始まったラオス難民救済組織の同県委員長を州政府より依頼され、言葉も文化も異なる難民のため活発に彼らラオス人安住のために活動、同農園にも2家族を受け入れするなど、まさに拓殖大学の精神、「人種の色と地の境、我が立つ前に差別無し」を地で行った先輩でした。そして毎年アルゼンチン国の記念式典には同県の日系社会を代表し、日本国旗と共に列席され、移民50周年を迎えた時には移民局より高く表彰されました。

2010年、40年住んだViedma市の農園はアルゼンチン名門サッカーチーム”ボカジュニア”の夏季合宿所用地として売却。ブエノスアイレス市の近郊コルドバ市に引越し、ご子息、お孫さんたちと悠々自適の生活を送っておられました。

ご冥福をお祈りつつご連絡いたします。

アルゼンチン支部 支部長 中務 信彦(61期)