令和5年度北短ミュージカル交流感想文その8

 

外国語学部 中国語学科 3年 向田 愛海

今回、令和6年2月17日に行われた第40回拓大ミュージカル「MESSAGE」を鑑賞させていただきました。私は元々拓殖大学北海道短期大学で行われている拓大ミュージカルの存在は知っていましたが、実際に鑑賞するまで、ここまで本格的なものだとは思っていませんでした。

キャストの皆さんは全員ミュージカル経験があるのではと感じる程、ミュージカル専攻ではない一学生が演じているとは思えない演技力の高さでした。初めはなかなか参加者が集まらず苦労したと伺いましたが、最終的には100名以上の学生が集まり、5ヶ月という期間で、学生でもあそこまで高いクオリティの舞台を作り上げることができるところには圧倒されました。

私は中国研究会に所属しており、語劇祭ではこれまでキャスト、裏方、照明を経験してきました。今回のミュージカルを鑑賞して、語劇祭に活かせる学びが非常に多くありました。例えば、キャストがステージを降りて観客席の通路を歩き、捌けた後に場面が変わるという演出がありましたが、その際のステージ上の動きを見るとその間に大道具が入れ替えられていました。観客の注意をキャストに引きつけている間に背景の入れ替えを行うという、背景の入れ替え作業が見えないようにするだけではなく観客も楽しめる演出をするという工夫が見られ、細部まで凝っているところが素晴らしいと思いました。また、衣装も手作りしていると伺いました。私はこれまで語劇祭で衣装にあまり重きを置いて準備をしていませんでしたが、大道具・小道具や衣装にも気を配ることで、より物語の世界観が際立つことを学びました。場面転換の際には、照明と音響を上手く使い、観客が見ていて飽きない工夫がされていました。このように様々な工夫がされており、迫力や世界観が見ていて引き込まれ、とても楽しんで鑑賞することができました。同じサークルのメンバーを含め、これから語劇祭に関わる全ての人に見て欲しいと思いました。

拓大ミュージカルの公演は語劇祭と異なり、鑑賞するのにチケット代が必要にも関わらず、広いホールが埋め尽くされるほどのお客さんが来場していました。ミュージカル鑑賞後には、北短学生との交流会がありました。交流会では事務局の学生の話を聞く機会があり、ミュージカルに関わる費用のために事務局の学生自ら、多くの企業に電話をかけて寄付金を募ったと伺いました。結果的に80以上の企業やお店からの寄付が集まり、大学外の方々にも応援されている伝統あるこのミュージカルは、卒業生の方々や地元の人々に愛されているイベントであることがよく分かりました。

2日目には、拓殖大学北海道短期大学のキャンパスも案内していただきました。キャンパス内には過去のミュージカルで使用された小舟が展示されていて、間近で見ることができました。体育館ではミュージカル準備のためのブルーシートや道具など準備の様子が残っていて、キャストが発声練習を行っていた教室などを見学し、これまでの5ヶ月間の学生達の努力が伝わってきました。歓迎して迎えてくださった拓殖大学北海道短期大学の皆様、今回の交流会を企画してくださった拓殖大学学友会の皆様、ミュージカルに関わった全ての皆様に感謝申し上げます。今回の2日間を通して学んだことを、今後に活動に活かしていきたいと思います。

劇で使われた小舟黒板セット製作作業場