文藝春秋3月特別号

   2017/02/15

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芥川賞発表は山下澄人「しんせかい」全文掲載。巻頭「大一番の行方」は立花隆(評論家)が自分のファミリーは茨城県の出だから―と稀勢の里に熱を込める。鳴戸親方(横綱隆の里)についても「私はこの人とは名前の隆の字つながりで昔から親近感を抱いていた」と告白。

特集「米中が激突する日」は岡本行夫(外交評論家)渡部悦和(元陸将)伊藤俊幸(元海将)と富坂聰(ジャーナリスト)4人の登場だが、富坂氏は『トランプVS習近平』の著作がある拓殖大学教授だ。それに続いて「中国に『明治維新』は無理だ」(渡辺利夫拓大前総長×柯隆富士通総研主席研究員)の活発な対談。

「稀勢の里『おしん横綱』の教え」(佐藤祥子・相撲ライター)は、前出・立花氏と同じく先代師匠・元隆の里の鳴戸親方の教えをたたえる。ちなみに隆の里は若いころ茗荷谷拓大体育寮によく寝泊まりしていた。同郷青森の親類で仲良しの鈴木順治(レスリング部主将・69期)がいたからだ。

葉室麟氏の連載15回目「大獄」は西郷隆盛の生涯が主題。今回は奄美大島、龍郷村に砂糖船で上陸(藩の命で潜居)ここで名家龍家の娘が島唄を披露し、吉之助の島妻となる愛加那の名は吉之助が与えた。この夫婦の子孫が長く拓殖大学百年史に名を残すことになる。台湾総督府宜蘭県長―京都市長の外交官出身・西郷菊次郎と2人の子息(隆治21期と隆秀27期)今なお子孫とのつながりは続く…。(M)