56期会の開催
平成25年10月16日(水)に一泊の予定で56期会が開催された。会場は青梅市の岩蔵温泉「司翠館」。予てより一泊旅行の要望が多かったので、久し振りに文字通り胸襟を開いてゆっくり語り合うことにした。数年前に熱海で開催したことがあったが、今回は近場ということで東京近郊奥多摩の鄙びた温泉宿を選定した。出席者は19人。同級生17人中ご夫人同伴が2人なのでこの人数になった。
心配だったのは当日の天候である。前日の予報によると10年に一度という猛烈な台風26号が関東地方に接近しつつあるという。台風による交通機関の乱れを心配し欠席者多数の場合の対応策なども考えたが、幸い杞憂に終わり明け方台風は房総沖を通過、9時過ぎには日が射し、次第に晴れ間も広がってきた。これでひと安心である。
午後3時半に西武線飯能駅南口に宿の車が迎えに来ることになっており、時間が近づくと次々に懐かしい顔が現われ「やー、やー」という挨拶の声も弾む。すでに同級会が始まった雰囲気である。10分ほどで宿に到着、受付で部屋割り等を聞き三々五々部屋に入るが、受付で長々と挨拶を交わす級友も見かけた。
夕方6時から懇親会が次の順序で開催された。開会の辞、校歌斉唱、物故者に対する黙祷、佐藤信男会長の挨拶、乾杯、閉会の辞の順である。開会の辞を含めて進行役は郡が担当。校歌斉唱の音頭は田中八郎兄に、乾杯の音頭は前会長の箕作佐喜子さんに、閉会の辞は松田平三郎兄にそれぞれお願いした。乾杯が終わるといよいよお待ちかねの懇親会だ。
時が経つほどに自席を離れてあちらこちらに固まりができて盃を交わしつつ話に花が咲く。年に一度の逢瀬を惜しむかのように話はいつまでたっても尽きることがない。そのうちに自慢の喉を披露すべくカラオケが始まる。会場は大変な賑わいだ。どこでも同級会の雰囲気は似たようなものだと思うが、今夜の出席者は全員後期高齢者である。この元気は一体どこから出てくるのだろうか。学生時代に培われた友情、友を懐かしむ気持がそうさせるのであろう。今日人間関係が大変希薄になっていると言われている。直接会ってお互いに相手の顔を見ながら話をする。これが人間付き合いの基本であり、これ以上の付き合い方はない。そうした意味でこの会はわれわれにとって大変貴重なものである。お互いがその意義を認め大切にしたいものと思う。
所定の2時間はあっという間に過ぎてしまった。名残惜しいが8時に散会。短い時間であったが密度の高い2時間であった。翌朝八時に朝食。来年の再会を約して10時の送迎バスで各自家路に就いた。
郡荘一郎