大分地域研修旅行 感想文~留学生地域研修感想文(その4)~
政経学部 経済学科2年 金祐太
日本に来日して約2年半になりますが、私が思うには今年過ごした夏が、日本に来て一番充実した夏であったのではないかと思います。なぜなら、学友会の地域研修に参加できたからです。
日本列島が相次ぎ最高気温の更新をした8月20日、羽田空港に学友会の井上先生を筆頭とする留学生4人が集まりました。それぞれ、違う国の人だったので、少し不安でしたが、すぐ仲良くなりました。11時40分の飛行機に乗って、地域研修チームは無事、大分空港に到着しました。空港には私たちを3泊4日間案内してくださった、浅川さんが迎えに来てくださいました。最初、空港についた瞬間、もの凄い日差しや暑さに驚きました。しかし、ホテルに向かう車の外に見えたのは、とてもきれいな海と緑豊かな美しい風景でした。そして、夜になり歓迎会にお招き頂きました。そこで、戸髙鉱業社の戸髙会長や津久見ローターアクトクラブの皆さんとお会いすることができました。緊張していましたが、とても親切にしてくださり、すごく楽しい交流会となりました。
次の日からは本格的な研修が始まりました。まず、私たちが向かったのは、戸髙鉱業社の石灰石採掘現場でした。くねくね曲がった山道を登った先には膨大に広がる石灰石採掘現場でした。その凄まじい規模に研修チームは目を見張りました。人の身長の2倍はありそうなタイヤで動く巨大ダンプトラックが次々と採掘した石灰石を運ぶ姿はまるでSF映画のようでした。しかし、戸髙鉱業社の凄いとこはそれだけではありませんでした。採掘から流通するまでの工程は、とても経済的でした。まず、採掘した石灰石を採掘現場にある立坑に大型ダンプトラックで一気に投入すると地下にある破砕設備で粉々にされ、長距離ベルトコンベアを利用し、港にある大型船舶に送るのです。戸髙鉱業社の鉱山が海に近いことを上手く利用していました。こうして、流通された石灰石はセメント、肥料、食品添加用など様々なものに使用されるのです。流通工程のしくみや石灰石が様々な分野で活用されているのを知ることができ、すごく勉強になりました。
そして、研修チームは戸髙鉱業社の会社見学以外にも大分の名所や文化に触れ合うことができました。まず、風連鍾乳洞は非常に神秘的だと思いました。外は猛暑の中なのに鍾乳洞の中はまるで秋のように涼しくて、一瞬ここから出たくないと考えてしまいました。風連鍾乳洞は狭い洞窟を少し歩けば広い空洞に出ます。その空洞はとても広くて、きれいな鍾乳石が沢山ありました。特徴がある鍾乳石に名前をつけているのがとても面白かったです。次は臼杵石仏で、歩くコースが決まっていて、そのコース通り歩きながら仏像を見ると、子供の仏像から大人の仏像まで、人の人生を表すような順番で現れます。特に子供の仏像は顔の表情を細かく表現していました。それに加え、女の子と男の子についても、はっきりと見分けがつくほど繊細に作られていました。あまり、仏像を見たことがない私でしたが、心からすごいと思いまいた。
そして、夜には津久見の扇子踊りに戸髙鉱業社の社員の皆様と一緒に参加しました。浴衣を着て扇子を持ち、何周も回りながら踊りました。私はこの時が一番楽しかったです。扇子踊りは難しくてとても大変でしたが、戸髙鉱業社の社員の皆様が優しく指導してくださったおかげで、間違いながらも、最後まで踊りきることができました。日本に来て初めて日本伝統文化に直接参加できたので嬉しく思いました。そのほか、久住花公園、阿蘇大観峰では九州のきれいな自然を満喫することができました。久住花公園では、色鮮やかな花が広大な敷地に広がっており、思わずここに住みたいと思いました。阿蘇大観峰は、とても高いところにあり、とても気持ちの良い風が吹いてくるところでした。周りを見下ろすと緑一色でそこにいるだけで癒される気がしました。
私は今回の大分地域研修を体験することにより、沢山のことを学ぶことができました。石灰石の採掘から流通工程や扇子踊りの踊り方など、この企画に参加しなかったら、多分知らないままで終わってしまったかも知れない多くのものを学びました。留学を決意した当時は、日本の文化や風情を沢山学びたかったのですが、学校や課外活動の方に没頭してしまい、本来自分がやりたかったことがあまり出来ていませんでした。しかし、今年の夏は、私が望んでいた留学生活に近づくことができたと思います。そして、大分の皆様にもとても親切にしていただき、都会ではあまり感じられなかった人の暖かさを感じることができました。そのおかげでハードなスケジュールの中でも大分を満喫できました。私は地域研修を通じ日本の文化に触れ、産業に触れ、人情に触れることができ、とても幸せな夏休みでした。
この経験が今後の学生生活や将来に十二分に発揮できるように努めていきたいと思います。