月刊Hanada 6月雨蛙号
花田紀凱 責任編集(飛鳥新社、950円)
6月アマガエル号と読むのだろう。ケロケロケロと声に出してみた。四季のさわやかな気分になった。声に出して読むことは楽しい。しかし今号は、いつものように巻末<編集長から>を読んで初めて社長さんが小学館出身の土井さんであったことを知った。その土井さんが3月20日深夜というのか未明というのか急逝なさった。よそから聞いた話だが、土井さんは小学館の主流であり、根源でもある「小学○年生」という学年誌の人であった。文藝春秋出身の花田編集長とのタイアップが花を咲かせた―。
218ページにわたる「武漢ウイルス緊急事態列島 日本人の底力」大特集。この中でも<世界各国からの現地レポート>は目立った。日仏「国のかたち」とか「シュラスコもやめたサンバの国」とか。興味深いページも並ぶ。加えて「追悼 志村けん」を高田文夫の熱筆で読んだ。文中「私の高校・日本学園の先輩(吉田茂と荒井注が誇りだ)」に目が点となった。日本学園は明治時代から大正~昭和前期(戦争に負けるまで)公私立を問わず、日本一の進学校であった。吉田茂ワンマン宰相だけではない。私の研究対象「脇光三」(拓大1期生)とか、岩波書店の開拓者とか、信越化学とか日本一の教育県だった信州の出である。(M)