月刊Hanada 6月青葉号
花田紀凱 責任編集(飛鳥新社、840円)
グラビア特集(昭和館提供)「女学生たちの青春」~戦前から戦中、そして戦後へ~がいい。日出高女による木刀鍛錬に始まる。食糧増産の秋田湯沢高女、歩兵銃射撃姿勢は大阪府立市岡高女。戦後は焼け跡で給食を作る普連土女学校など。
門田隆将氏の「ベトナム残留日本兵家族が教えてくれるもの」には胸を打たれる。この中に拓大先輩の遺族も加わっていた。拓大と言えば「北朝鮮船、今も続々、漂着中」の荒木和博氏は拓大海外事情研究所教授で、予備自衛官(陸曹長)だ。
自衛隊「日報問題」の本質はこうだ―の櫻井よしこ×小野寺五典対談も読み応え十分。小野寺防衛大臣の義父は拓大柔道部OB(故人)気仙沼市長を務めた。早く逝去されたのが惜しい。
なべおさみの第17回は「グレゴリー・ペック」1953年の「ローマの休日」新聞記者役で、デビュー早々のオードリー・ヘップバーンとの名シーンが忘れられない。続けて作家瀬戸内みなみ氏は「桐島洋子~子どもの頃の夢は雑誌の編集長」で、両親が戦前、小説「風と共に去りぬ」のアシュレーとスカーレットと互いに呼び合っていた話。両国の写真館に生まれた工藤美代子氏新連載「影の画帳『サザエさん』と長谷川町子第1回盗まれた遺骨」―これは知らなかった大事件。(M)