文藝春秋5月号
日中戦争80年「通州事件」の謎を解く―中国兵による日本人虐殺はこうして起きた(保阪正康×広中一成)は、母校拓大にも大問題となった事件である。1937(昭和12)年7月末、北京郊外の非武装地帯が通州。そこには日本軍の指導下に置かれた中国人の保安隊(自衛隊とも)がいた。その彼らが反乱をおこし、日本人居留民ら225人を惨殺した。その被害者の中に、拓大商学部2年の亀井實学生(旧京都府立福知山中学校出身)がいた。学術優秀な6人が選ばれ、アジア各地の夏季研究に派遣されて現地に着いたばかり。当時の学内報に「6人行き5人帰る」と書かれた。
元の東亜同文書院大学が敗戦後に復活した愛知大学である。中国研究の専門家ばかりだ。通州事件は拓大史の中でも重要だろう。(M)