台湾人と日本精神(リップンチェンシン)―日本人よ胸を張りなさい

 

台湾人と日本精神

蔡焜燦(小学館、1600円+税)

台湾なくして拓大なし!

「旭日双光章」を授与された「愛日家」の名作。

「台湾の歓び」(週刊文春5月21日号)にエッセイスト酒井順子氏が四方田犬彦、岩波書店(3200円+税)について書いた。台湾で<媽祖・マーソ>といえば女の神様。600以上も各地で祀られ、年1回の「進香」(みこし行列)は3日間も歩くが、沿道の歓待も大きい。台湾中部の有名な鹿港(ロッコウ)あたりから台南まで南下する体験記を酒井氏は「風と共に去りぬ」の主人公スカーレットが戦火を逃れてタラ農園まで南下する情景と重ねて読む。

ところで冒頭の<台湾なくして――>は、筆者が台湾の宜蘭で歴史研究家から言われて雷に打たれたような衝撃のフレーズ。当時拓大100年を迎える直前だったが、誰もこのことに思いを致さなかった。なるほど“台湾”が存在したから台湾協会学校が創立され、今の拓大につながったのである。換言すれば台湾が拓大生みの親なのだ。(M)

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