本と暮らせば

 

本と暮らせば

出久根達郎

草思社(1,600円+税)

帯に<本との出逢いが、人生だ。本と暮らして70年、古書店主にして直木賞作家が綴る、本と作家にまつわる芳醇エッセイ75編>とある。主な目次に「龍馬と竜馬」どちらが本当か?

「追悼集の処分」では、長野県下の女学生だった千野敏子が読書論で大木惇夫の詩集『海原にありて歌へる』一読、大感激する。この中には有名な「戦友別盃の歌」日本人なら誰でも心動かされる。戦時中の名歌だ。

「連呼」は縁日の露店。前畑ガンバレ放送、志村アナの出陣学徒壮行会実況の録音テープの話など尽きることない。「地、震う」は戦後、新宿に青空マーケットを開いた尾津喜之助の話だが、満洲から帰国と正字で書いてあるのがいい。(M)

Amazon.co.jp: 本と暮らせば: 出久根 達郎: 本: