WiLL 9月超特大号
花田紀凱 責任編集(ワック、定価800円)
8月といえば15日が終戦記念日。この日のことを元文藝春秋出版総局長―常務だった堤堯氏が連載第152回の11ページ全部を使って回想している。小見出しにいわく。「日本を全壊寸前に救ったのは貫太郎(鈴木、総理大臣)と阿南(惟幾、陸軍大臣)のあうんの呼吸による腹藝だ。」―8月9日の臨時閣議が最大のヤマ場を迎え、閣僚が辞表を出そうとすると阿南大臣が留める。阿南は徹底抗戦を主張し、割腹自決の上で全軍の盲動を制することに成功した。多磨霊園に眠る阿南大将の墓前に堤氏は「阿南さん、ありがとう」と合掌する。この一文で阿南大将はまた一段と光を加える。(M)