私を変えた14日間

   2014/03/27

拓殖大学北海道短期大学2010年度海外研修③

拓殖大学北海道短期大学 経営経済科1年
C22002 雨宮 貴成

参加動機

私が海外研修に参加しようと考えた動機は、海外に一度も行った事がなく前々から行きたいと強く考えていたからです。なぜグアムに行きたかったかというと、グアム研修は義援金が出ることを知って、アルバイト代で行けると思ったからです。それと、将来役立つと思った、人脈を広げたかったからです。後、グアム研修の研修内容である、ホテル業務を体験してみたかったからです。もうひとつ、英語圏に行って、英語に興味を持つきっかけを作りたかったからです。私の参加の動機は世界地図から始まりました。A4の世界地図を広げて見る日本は縦に細長く、縦の長さも5㎝程しかないと思います。しかし、A4の世界地図を広げたら縦は約30㎝で横は42㎝にもなります。そう考えた時に、日本という小さな島で一生を生活してしまう事にばからしさを覚えました。だから、どうしても日本の外に出てみたいと思いました。「世界は広いのだ。」という事を、この目で確かめておきたいと思いました。そしたら何かが自分の中で変わり、お金では買えない大切なものを手に入れる事ができる気がしました。海外研修の目的は、日本とアメリカの生活観の違いを自分の感覚として理解する事と、人脈を広げる事と、アメリカ人の仕事への姿勢を学ぶことでした。

事前準備

事前に行った準備は、「グアムと日本人」という本を4000字程度で要約しました。この本の内容は、グアムの歴史に日本人がどのように関わっていたかが描かれていました。そこから、グアムは今では海がきれいな観光地だが、太平洋戦争時代はアメリカ兵と日本兵が殺しあっていた島でもありました。本を読みレポート作成をする事によって、事前にグアム島の歴史と日本人との関わりを知ることができ、グアム島に興味を抱くことができました。そして、入島した後も納得して物事を捉える事が出来ました。その他に、事前に中学レベルの英語の問題集を購入し基本的な英語表現を学び、研修中少しでも使えるよう努力しました。考えたことは、グアムは淡路島ほどの大きさしかないということと、今はショッピング街やホテルが立ち並び、観光者向けに整備されているタモン地区は、昔は激戦地であり、タモン湾のきれいなビーチではたくさんの人の遺体が転がっていたという事を考えていました。

2月25日(研修初日)

成田空港出発の研修1日目、コンチネンタル空港の飛行機で成田空港を飛び立ちました。グアム空港までは約3時間30分かかりました。到着して飛行機を出た瞬間、非常に蒸し暑かったです。温度計を見たら30度を上回っていたのを覚えています。私は汗っかきなので、半袖を着てきて良かったと思いました。しかし、成田空港では非常に寒かったです。そしてグアム空港に着いたら、まず入国検査がありました。たくさんの日本人が行列を作っていました。次に、流れてくるスーツケースを取りに行きました。自分のスーツケースと分かる印がないと見つけるのに苦労すると思いました。

研修生7人がスーツケースを見つけた後、いったん集合してスーツケースを置いて、グアム空港を見学しました。その時の案内人が、この研修で非常にお世話になった1人である、レオパレスリゾート・グアムの営業部門アシスタントマネージャーの柳町英之さんです。この柳町さんは、今回のインターンシップで研修生7人の面倒を丁寧にみてくれた人でした。29歳で、私たちに年が近いこともあり、共感できる事がたくさんありました。グアム空港は小さかったが、活気に満ちていました。この先の2週間を想像してワクワクしました。

その後、バスでホテルに向かいました。途中でバスが故障して、違うバスに乗り換えました。このハプニングが自分の想像するアメリカっぽくて、少しテンションが上がりました。後グアムの一部のバスは、後部座席の座り心地が悪かったです。エンジンの振動で背中が震えました。そんなこともあったが、無事にホテルに到着しました。

ホテルに到着した後は、自分たちが2週間生活するホテル塔である、ラ・クエスタEに荷物を置きに行きました。ラ・クエスタEはレオパレス内のコンビニにも近くて便利でした。ホテルの部屋の床は、セメントでできていました。アメリカ臭さに感動しました。

その後早速、正装に着替えて従業員への挨拶廻りが始まりました。日本人従業員の多さにびっくりしました。しかし、ちょっと安心もしたのも本音でした。従業員全員が感じの良い人ばかりで、嬉しくなりました。

その後、レオパレスリゾート・グアムの副支配人である関根和王さんによって、ホテル内での注意事項を教えてもらいました。アメリカでは仕事ができない人には「明日から来なくて良いよ」と言われる事も度々あるようでした。

その後は、夕食をおもてなしてくれました。夕食は、研修生7人と関根和王さんと柳町英之さんで囲みました。夕食はバイキング形式で肉料理、海鮮料理、デザート、どれを見ても充実していました。そして、夕食の席で自己紹介をしました。みんな優しそうな人ばかりで、希望が持てました。そんな感じで1日目が終わりました。

研修に向けて

2日目午前中は、明日から本格的に始まる研修の心構えを聞きました。ここでは主に、「研修中は全部メモを採ること」や「いつも笑顔で居ること」や「言葉使い」や「お客様の陰口や外見について絶対に話さない事」などが話されました。

その後、ゴルフ場やプールや各ホテルの部屋を見学しました。見学した部屋の一つに、富永愛が今から撮影をする部屋を見ました。他に、服さえ持ってくれば長期滞在できる部屋も見学しました。その部屋には、洗濯機も付いていました。

昼食は、社員食堂で食べました。社員食堂は、自分で好きな食べ物を自分で取りに行くタイプで、こってりしたものや鶏肉料理が多かったです。

午後はタモン湾沿いに位置するウエスティンリゾートホテル見学と生活用品の買出しに出かけました。ウエスティンリゾートホテルの魅力は、レオパレスリゾートと比べてやはり海沿いに位置していて、いつでもきれいな海を見られる所だと感じました。レオパレスリゾートの魅力は、ゴルフ場や野球場などの施設の充実だと感じました。ホテルから海が見られなくても、ウエスティンホテルまで宿泊者には無料送迎バスがあるのでレオパレスも非常に良いホテルだと感じました。生活用品の買出しは、朝食で食べるパンをいくつか買いました。そして2日目の日程は終わりました。

フロント受付研修とベル業務

3日目から本格的に研修が始まり、私は3日目から3日間「フロント受付研修」と「ベル業務」を行いました。

フロントで行った研修は、チェックアウトのお客様に「お部屋番号」と「代表者」の名前を聞いて鍵を預かる仕事、フロントにかかってくる電話に出ることと、チェックインのお客様に鍵をお渡しする業務、分からないことがあるお客様に対応することでした。フロントにかかってくる電話は英語での対応が多かったので、他の従業員に代わってもらいっぱなしでした。お客様のホテル塔の前にレオパレス用のバスを呼び出す事しかろくにできませんでした。しかし従業員の皆様は心地よく代わってくれて嬉しかったです。分からないことがあるお客様に対応することも、自分がレオパレスリゾートホテルのことを深く理解していなかったので、うまく答えられなかったです。そこで私は現場にいて一番怖い事は、「自分が何も知らないこと」だと学びました。

ベル業務の仕事内容は、お客様がホテルに入る時にドアを開けてあげる事、バスが来たことを一階フロアーのお客様に知らせること、バスが何時にベル前に到着して何時に出発したかを記帳すること、グアム空港からホテルに到着したバスからスーツケースを下ろすこと、レオパレス内のバスにお客様が乗るときにドアを開けることでした。ベルの仕事はお客様と一番逢う機会が多かった業務だったので、お客様とのふれあいが楽しく感じました。そしてノリの良いレオパレスホテル従業員のチャモロ人とじゃれあったりするのも楽しかったです。ホテルに入るお客様にドアを開けて、「thank you」と言われるのが嬉しかったです。正直外の業務だったのでとても暑かったが、人に感謝される業務だと感じました。しかし少し心残りなのが、ベルの従業員たちにもっとジェスチャーや中途半端な英語を使って想いを伝えれば良かったと思い反省しました。

6日目(休日)

次の日は休日だったので、海やショッピングモールに出かけてたわいのない時間を過ごして、リラックスできました。

ハウスキーピング

7日目から2日間「ハウスキーピング」の業務を体験しました。

この仕事は名前の通り「ホテル内をきれいに保つ」という業務でした。私は午前中、アーネストという名前の従業員と二人一組になり、午後はクリスチャンと二人一組になり研修を行いました。この2人には英語しか通用しなかったので、仕事内容を理解するのが難しかったです。この仕事は肉体労働でした。直接表に出て行う業務でないので、みんなに気づかれにくい業務だが、従業員は一切さぼらないで必死に仕事をしていたのを見て感動しました。私が行った業務内容は、床にシャンプーをまいてモップでこしったり、ほうきではいたりなどの掃除業務、ゴミをゴミ捨て場に持っていく業務、お客様各部屋のシーツやパジャマの回収でした。一番私が大変だったのが、非常階段の掃除でした。ほうきとちりとり片手に5階非常階段に向かい、1階までゴミを集めてちりとりに収めました。非常階段は非常に暑く、ほこりだらけで空気が悪かったのでむせました。非常階段の掃除が終わり、アーネストと2人で顔を拭いたらタオルが土の色に変わるほどでした。だけど本当に良い思い出となりました。

9日目(休日)

次の日の休日も海とショッピングモールに出掛けました。海は何回行っても飽きなかったです。俺にとっての癒しを与えてくれた。

インフォメーションデスク

10日目から2日間、インフォメーションデスクの業務を行いました。私が行ったインフォメーションデスクの業務内容は、今日チェックインするお客様の名簿のコピーを採ること、お客様に渡す帰国の案内の作成やホテルの案内をクリップで留めること、分からないことがあるお客様への対応、スタンプを押したり、紙を切ったりなどの内職でした。インフォメーションデスクには基本的に日本人のお客さんしか来なかったので、その点は仕事に向き合い易かったです。しかしあるお客さんに「何で英語が話せないのにここに研修に来てるの?」と言われて、自分が情けなく感じました。日本人客が多くて日本語で聞かれて、質問の意味は理解できるので、答えられなかった時には勉強不足を痛感させられました。「もう少し勉強してからここに来いよ」と強めの口調で言われてしまった事も多々ありました。

12日目(休日)

そして最後の休日を過ごし、いよいよ研修も終わろうとしていました。

13日目(有名ホテル見学)

13日目はタモン湾沿いに位置する有名ホテル見学に出かけました。見たホテルすべてにそのホテルの売りがあると感じました。浜に木を植えてパラソルを設置して、きれいに浜を整備して海岸沿いを売りにしているホテルや、プールや滑り台を設置して遊び場を売りにしているホテルや、部屋からの景色を売りにしているホテルや、料理を売りにしているホテルなどがあり、ホテルごとに特色がありました。

14日目(帰国日)

そしてグアム滞在最終日である帰国の日になった。最終日の朝はゆっくり寝て、お礼の挨拶廻りに行って、無事帰国しました。

学べた事

私がこの研修で学べたことは、今まで接客業は覚えることがあまりないと思っていたが、接客業は勤めている会社のことは何でも知っているというスペシャリストになる必要があると思ったので、覚えることはたくさんあることがわかりました。その後は経験だと思いました。そして英語が話せるようになれば、外国人の考えが分かるようになると思いました。さらに、外国人の考え方を理解すれば、自分の考え方の幅も広がると思いました。そしてこの研修で一番良かったことは、アメリカに興味を持てたことです。また新しい考え方を学ぶために、他の国にも行ってみたいと思いました。私はこの研修に参加できて本当に良かったと思っています。関係者様全員にありがとうございます。

拓殖大学北海道短期大学2010年度海外研修④