あとがき(令和5年度北短学生紅陵祭訪問 引率)

 

今回の交流訪問は、例年とは異なる形での実施となりました。これまで北短と拓殖大学との交流は、拓殖大学北海道短期大学(北短)による紅陵祭見学と、拓殖大学側による北短ミュージカル観劇という「相互訪問」が基本でした。しかし昨年度でミュージカル公演が終了となり、当初は交流そのものが見送られる予定でした。

そのような状況の中で、「他大学の学生自治活動を直接見て学びたい」「大学祭運営の工夫を現地で感じたい」という学生から強い希望が寄せられました。これを受けて急きょ紅陵祭の見学をお願いしたところ、ご多忙な時期にもかかわらず、拓殖大学・学友会・紅陵祭実行委員の皆さまから温かいご承諾とご支援を賜り、今回の交流が実現しました。改めて深く感謝申し上げます。

11月1日(土)~2日(日)の2日間、学生自治会・大学祭実行委員を中心とした5名に加え、取材を担当する新聞局および学生広報部ぷれたくの9名も同行しました。学生たちの「学びに行く」という姿勢が明確で、事前の打ち合わせなどからも強い目的意識がうかがえました。

文京キャンパスで見学した紅陵祭では、教室展示の完成度や多彩な模擬店、学生主体の運営体制に触れ、多くの刺激を受けていました。また、3年次に北短で学んでいた国際学部生との再会もあり、以前の交流が新たなつながりとして続いていることに喜びを感じていたようです。

さらに夕食会を兼ねた交流会では、拓殖大学学友会や大学祭実行委員会の皆さまより自治活動の工夫や組織運営、大学生活で得られるものなど、貴重なお話を直接伺うことができました。学生にとって「自ら行動する意義」「仲間との協働」「役割を果たす姿勢」など、多くの学びにつながる場となりました。

本年度の交流は、学生の強い思いと拓殖大学の皆さまの温かいご支援によって実現した特別な取り組みであり、今後の自治活動や大学祭運営、進路選択にも大きな影響を与えるはずです。1年生には来年度の活動準備として、2年生には後輩への引き継ぎや卒業後の進路を考える上で、今回の学びを生かしてくれることを期待しています。

なお、拓殖大学北海道短期大学は次年度をもって閉学となります。だからこそ今回の交流は、北短が築いてきた拓殖大学とのつながりを改めて確認し、未来へつなぐ“大切な節目”となりました。今回の経験や学びは、北短で過ごす残りの時間はもちろん、その後の生活においても力になるものと信じています。

最後に、今回の訪問に際し多大なるご配慮とご支援を賜りました拓殖大学ならびに関係者の皆さまに心より感謝申し上げます。閉学を迎える北短にとって、このような交流の機会をご提供いただいたことは大きな励ましであり、学生にとってかけがえのない学びの場となりました。今回の交流が両校の歩みを記憶にとどめ、学生たちの未来への一助となることを願っております。5名の学生とともに参加できましたことに、深く御礼申し上げます。

農学ビジネス学科 教授 小林孝夫