路(ルウ)
吉田修一(文藝春秋、1,700円)
台湾が舞台の長編小説を台湾大好き作家が書き上げた。昭和前期から平成の現在までに至る日本大好き台湾人との交流。要となるのは台湾生まれで敗戦後日本へ引き揚げて来る元技術者の老人である。台湾新幹線の話がからむ。拓大の関係者は、拓大の原点が台湾であることを忘れてはならない。初代校長の桂太郎(内閣総理大臣)も3代目の後藤新平も、そして学監・新渡戸稲造博士もすべて台湾総督府時代に、内地の日本よりも台湾を愛した。「台湾なくして拓大なし」は肝に銘ずべし。茗荷谷たより第366号と第423号・第425号を参照!(宮澤)