評伝 大野伴睦 自民党を作った大衆政治家

 

表紙

丹羽文生(拓殖大学教授)著
大野つや子(元参議院議員)・大野泰正(参議院議員・自民党副幹事長)監修
(並木書房、1,500円+税)

「伴ちゃん」のニックネームで、多くの人々に愛され、親しまれた元自民党副総裁・大野伴睦――。「サルは木から落ちてもサルだが、代議士が落ちればただの人」という名文句を残したことでも知られる。「義理と人情とやせがまん」をモットーに、鳩山一郎、吉田茂に忠義を尽し、三木武吉とタッグを組んで保守合同を実現させ、岸信介、池田勇人の後見人として初期自民党を育て上げた。戦後政治史に異彩を放つ大衆政治家の生涯を描いた初の本格的評伝!(著者)

目次

監修者のことば/はじめに/第1章 政治への目覚め/第2章 東京市政から国政へ/第3章 紆余曲折の日々/第4章 保守合同に向けて/第5章 政権与党の中枢に/第6章 自民党の長老として/おわりに/大野伴睦略年譜/参考・引用文献一覧

壮大な日本横断運河計画

丹羽文生先生は、雄弁会の部長をお願いしてる関係でよくお会いする機会があります。森本敏先生(前総長)の補佐役として「桂太郎塾」学生の面倒を見ながら山口県支部や東京都連合会、関東連合会の各支部において講演を頂いており、学友会にとってもお馴染みの先生です。

どのような経緯から大野伴睦を題材に選んだのか聞いておりませんが、明治・大正・昭和に生きた大政治家です(明治23年9月20日~昭和39年5月29日、享年73歳)。私も学生の頃読んだ本の中で、大野伴睦のことを「保守合同・自民党を作った人」「泥棒に金をあげた人」くらいしか知りませんでしたが、本書の中から「日本横断運河建設計画」が実現しそうだったが、伴睦の逝去によりご破算になってしまった事を知りました。現在は道路交通網が整備されているので復活は無いと思いますが、壮大な構想に胸が高鳴りました。この本を読んで新しい発見をしたような気がします。今の政治家に読ませたい一冊です。(山田作人―76期、雄弁会)

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