学校から子どもを守る技 保護者のバイブル
溝田昌宏(東洋出版、1,200円+税)
この本は教育者の専門書ではなく、子どもや孫のためになる保護者のためのバイブルであり、またこれから教師を目指す学生には教育現場を理解する参考書になるものです。
教師も人間ですから、自分が良い教師だと評価されたいと思うのは当然です。そのために努力して技能を高めるのが普通ですが、努力しないで評価を高めようとする教師が現実にはいるのです。それが、学校教育に潜む「偽装」なのです。どんな偽装があるのか例示すると①テスト問題の答えだけを教える授業をする②テスト中に間違った回答を書いていると気づかせる③テストの回答が間違っていても×をつけず、100点にして返す④事業が間に合わず、他の強化の時間をもらっている⑤授業内容により、学級通信に力を入れて保護者の評価を得るなどがあります。このほかにも、学校現場で起きる様々な問題を解説しています。
私は、地下鉄で茗荷谷駅が近づくと、講義を聴くためにこの駅で降りたことを懐かしく思い出す拓殖大学の73期卒業生です。大学での一番の楽しみは、茗荷谷ホールで定期的に開催された中曽根康弘先生の講演会でした。その中曽根先生と縁のあった日本寮歌祭に参加していた、今はなくなってしまった寮で少しの間生活したこともあります。在学中は教職課程を履修していましたが、「社会福祉研究愛好会」を創設して活動したことがきっかけとなり、通信教育で勉強し小学校に正式採用される直前に免許を取得し、教師になりました。また、一般の学生でしたが、「第3回総長杯討論雄弁大会」で準優勝できたことがよい思い出として残っています。(著者)