会計史余滴
三代川正秀 編著
出来立てホヤホヤの新刊書で、表紙も旅の画家・大町雅敏氏の作で美しくロマンチックに飾った感じ。商学部長で、現在は拓大副学長でもある著者は、学部66期、大学院20回の人。「学生の講義ノート用に、教材に」との思いで刊行した本書は、目次を一読するだけで楽しくなる。美術史・数学史・地理から文具へと続く興味ある展開。例えば「印刷文化の発祥」~「香辛料の世界」~「ルネサンスの影の英雄ルカ・パチョーリ」など、とどまる所を知らない魅力満載の261ページだ。巻頭に「くめやうま酒うたひめに をとめの知らぬ意気地あり 簿記の筆とるわがものに まことのをのこ君に見る」(与謝野鉄寛)を掲げたのも拓大商学部伝統発揮の輝きとみたい。(DTP出版、2,400円+税)