グアムホテルインターンシップの報告(翠 彩伽)

   2014/03/27

グアムホテルインターンシップの報告③

翠 彩伽

私がまず、この研修に参加しようと思ったのは去年のカナダの短期観光研修がきっかけだった。カナダの研修ではホテルや空港の見学、バリアフリーの対策等は学べたが実践することはできなかった。カナダで学んだことを今度は実践に生かしたいと思いこの研修に参加した。

この研修で経験できる仕事は、インフォメーションデスク、フロント、ハウスキーパーの3つだった。仕事初日、私はインフォメーションデスクという場所で働いた。インフォメーションデスクは主に日本人の宿泊客に対し、オプショナルツアーの申し込みやレストラン等の予約を承る場所だった。しかし正直ここではほとんど仕事らしい仕事は何もさせてくれなかった。他の仕事場から帰ってきた友達がすごく疲れた、大変だったと言って帰ってきたのがとても羨ましかった。

インフォメーションデスクで2日間過ごした後は、3日間のフロントの仕事が待っていた。フロントの仕事はベルスタッフと一般的なフロントの仕事に分かれていた。フロント研修初日の最初の仕事はベルスタッフをやった。ベルの仕事はすべてローカルのジョシュアに教わった。そのため日本語がほとんど伝わらず、わからないことを聞く時、仕事を教わる時、英語でコミュニケーションをとらなければならなかった。けれども、ベルスタッフは非常に楽しい仕事だった。町まで行くバスについて答えたり、レオパレスに宿泊しているお客様と雑談をしたり、ベルスタッフやレオパレス内を走るバンのドライバーと英語で話をすることができ、とても充実していた。

次はフロントの仕事だった。まず、電話を取ることから始まった。電話は2つあり、1つは主にお客様の部屋からフロントに掛かってくる電話と、もう1つは主にレオパレス内からフロントに掛かってくる電話だった。お客様の部屋から掛かってくる電話は、レオパレスに宿泊しているお客様はほとんどが日本人であるため、日本語で電話を取ってよいと言われた。しかし、もう1つの電話はレオパレスで働いているローカルから掛かってくる電話なのでほぼ英語で話された。そのため、初日はまったく英語が聞き取れず、フロントのスタッフに代わってもらった。あまりに聞き取れないために「もうこの電話は取らなくていい」と言われた。とてもショックだった。

フロント研修2日目。前日の反省を生かし、英語で掛かってくる電話をあえて重点的に取った。初日よりは聞き取れるようになり、嬉しかった。また、「日本語の電話対応がうまいね」と褒めていただいた。ベルスタッフは前日教わった人とは異なるマチューというひとに教えてもらった。マチューは日本語が少し話せていつも「大丈夫?疲れた?」と日本語で聞いてくれた。

フロント研修最終日。午前中はベルスタッフをやった。午後はフロントをやり、英語の電話は聞き返したり、ゆっくり話してもらったりしながらほぼ聞き取れるようになった。ローカルのスタッフともコミュニケーションが取れるようになり、ベル、フロントの仕事から離れるのが寂しかった。

最後の仕事の難関はハウスキーパーだった。インフォメーションデスク、フロントには日本語を話せるひと、日本人が必ずいたがハウスキーパーは全員ローカルだった。ハウスキーパー初日はマリーさんとシャヌーンさんに教わった。マリーさんは気さくで話すのも歩くのも仕事するのもすべてが早かった。シャヌーンさんは若くかわいらしい方だった。マリーさんの早口に慣れることができず何を言っているかさっぱりわからず、私はとても苦しんだ。マリーさんに言われたことに対し「?」という顔を私がしているとシャヌーンさんが「大丈夫?」と何回も聞いてくれた。ハウスキーパーではチップも山分けして貰うことができた。

ハウスキーパー2日目はシャヌーンさんとマライアさんとキャシーさんとやった。前日とは違いゆっくりと仕事することができた。また、前日同様3人のひとりひとりが私に気遣ってたくさん話しかけてくれた。仕事が始まる前、仕事終わりにはジュースやお菓子をたくさんお土産にくれた。

この研修を通して一番私が学んだことは「気遣い」だった。レオパレス内のスタッフは日本人、ローカルに関わらず、私に対していつも「大丈夫?」と聞いてくれた。私が緊張していたら笑わせてくれ、一緒に遊んでくれた。時には、自分の食べていたお菓子や飲み物をくれたり、髪飾りをくれたりした。仕事に対して、人間関係に対して多少不安があった私にとって「大丈夫?」といつも気にかけてくれたことはとても心強く、嬉しかった。私もどんなひとにも、どんな時にも気遣えるひとになりたいと思った。