南極の巻田先生から続報
こんにちは。
ブラジル基地に来て2週間ほどが過ぎました。だいぶ基地の生活にも慣れてきました。先日の日曜日には基地の裏にある300mほどの岩山に隊員達と登ってきました。かなりの急な雪渓でしたが、専門のアルピニストが隊員として参加しているため、その方がみんなのガイド役をしてくれて、安心して登山ができました(写真1,2)。写真1は下から見た岩山です。写真2は頂上から下を見た写真ですが、眼下にはブラジル基地や観測船が見えます。午後に基地に戻ると、基地に来て初めてのシュラスコパーティーが開かれてました。たくさんの肉が焼かれビールが出されました。ブラジル人の愛想の良さと友好的な雰囲気の中ですっかりいい気分になりました。
ところで、今日(2月23日)の朝食時に、基地の隊長から、基地を出発して、プンタアレナスに戻る日にちが、当初の予定より2日遅くなり、3月8日になったことを知らされました。私は3月8日プンタアレナスを発ち、サンチャゴ経由で3月10日に帰国する予定でしたが、この帰国の便を変更せざるを得なくなりました。この3月8日のフライトも天候次第で、また変更される可能性があるため、余裕をみて、3月11日にプンタアレナスを発ち、帰国することにしました(3月13日成田着予定)。そのため、急きょ、日本の旅行会社に連絡を取り、航空券の取り直しを依頼しました。
それにしてもインターネットを含めた、通信技術の進歩には目を見張るものがあります。振り返ると、1975年(35年ほど前)に初めて、南極ではじめて越冬したときには、通信は短波通信のみで、モールス記号による通信が主流でした。次に1990年(20年ほど前)に再度越冬したときは、衛星通信が可能になり、電話やFaxで、国内との通信が可能になり、ずいぶん便利になったと思いました。しかし、電話代がかなり高額だったことを思い出します。それに比べ、今回の南極基地では、インターネットにより世界のどことも自由に通信が出来、お金もかかりません。この点では、今南極にいることすら忘れるくらいです。日本にいるとあまり感じないこのありがたみですが、自由に行き来できない場所にいると、かえって、そのありがたみを強く感じます。基地での滞在は少し延び、あと2週間ほどです。また、お便りを致します。皆様によろしくお伝えください。
巻田 和男