一、五丈原頭桜花(はな)散りて 春宵(しゅんしょう)一時夢をのせ
    武夫(ぶふ)の挟をひるがえす 風に憂のこもる時
    血涙(けつるい)に泣く若人の 去年(こぞ)の恨を誰か知る

二、夜の(とばり)の幕をとじ 夕闇くらき隅田岸
    熱き悲涙(ひるい)に来ん年を 誓いし友よいざ()たん
    (たたかい)光栄(はえ)悠久の 若き男子(おのこ)に力あり

三、力と力熱と熱 胸の血潮は高鳴りて
    叫ぶ男子の勝どきに 友よ手をとり舞はん哉
    血涙(けつるい)に泣く若人の 去年(こぞ)(うらみ)を誰か知る