一、ノーエお江戸小石川紅葉ケ丘はヨ
  天下取る子の取る子のノーエドント拠り処ヨ

二、意気と情が拓大の書生さん
      何処で呑んだか…酒臭いヨ

三、娘よく聞け拓大の書生さん
      末は馬賊か…海賊かヨ

四、女人禁制の拓大の庭に
      誰れが植えたか…姫小松ヨ

五、拓大出る時きゃビリから出たが
      今じゃ蒙古の…姫の婿ヨ

六、お前満州か わしゃ南洋へ
      赤い紅葉の…散り散りにヨ

七、ゴビを横切り崑崙越えて
      明日はビルマで…酒くまんヨ

八、音信したくも蒙古の旅よ
      まさか矢文ぢゃ…届くまいヨ

九、可愛い好看ジャンクに乗せてヨ
      下る黄河に…月がさすヨ

十、万里の長城で逆立すれば
      支那か蒙古に…転げ込むヨ

十一、夢は冷し駱駝は遅し
      目指す庫倫…灯も見えぬヨ

十二、長城仰いで酒酌み交し
      下る黄河の…秋の月ヨ

十三、酒は熱くて血汐は赤い
      何れ男児の…好むものヨ

十四、行くも戻るも千里と万里
      まゝよ蹄の…続くまでヨ

十五、俺の行く先尋ぬる奴は
      雪のシベリア…知らぬ奴ヨ

十六、椰子の葉蔭でヤシ酒のめば
      ネグロ美人の…眼が光るヨ

十七、駱駝の首根に鈴子が一つ
      静かにひびきつ…日は暮れるヨ

十八、誰じゃ追分唱うて行くは
      朧月夜の…バイカル湖ヨ