一、窓は夜露に濡れて都既に遠退く
  北へ帰れる旅人独り涙流れてやまず

二、吾れを容るゝに狭き国を去らんとすれば
  せめて名残りの花の小枝尽きぬ希望の色ぞ

三、富も名誉も恋も遠き憬れの灯よ
  あはき希みはかなき心栄光吾れを去りゆく

四、吾は黙してゆかん何も亦、語るべき
  さらば祖国わが故郷よ、明日は異境の旅路