作詞 石原 秋朗(十八期)

一、怒濤(どとう)逆巻く東瀛(とうえい)(くも)(くれない)の色に染み
    希望清新の香に満ちて 大日輪は現はれぬ

二、見よ紅陵の朝ぼらけ 春は霊気の四方(よも)に散り
    霞に咲くや桜花 露に尚武(しょうぶ)の香をたゝえ

三、薫風(くんぷう)渡る初夏(はつなつ)の 新緑匂う臥龍窟(がりゅうくつ)
    暁星淡くまたたきて 殉国の血に湧き返る

四、浮世の秋に風立ちて 血潮に染る紅葉葉(もみじば)
    落日赤く()ゆる時 見ずや我等の(きも)の色

五、大都の冬の空暗く 朔風(さくふう)()ゆる摩天林
    燭火(ともしび)寒き窓に()()ぞや易水悲歌の人

六、東漸(とうぜん)(せい)思はずや 西漸(せいぜん)の跡偲ばずや
    三聖生みて光輝ある 歴史は古し大亜細亜

七、眠れる獅子よとく醒めよ 醒めて亜細亜の為に泣け
    泣いて叫べよヒマラヤの 峰に傾く夕日影

創立百周年記念時に発行した「拓殖大学歌集」を主に編集した学部51期宮沢正幸氏によると、従来の「逍遥歌」は作詞者である18期石原秋朗(号を厳徹)先輩が『紅陵健児の歌第一』として作ったものを、後の学生が作詞者の許可を得ずに「逍遥歌」と改題したまま歌い継がれてしまったものである。ちなみに「紅陵健児の歌」は、『紅陵健児の歌第二部』であるとのことである。