マイグランパ 新渡戸稲造 ただ一人の生き証人の孫が語る
加藤武子×寺田正義
朝日出版社(1,200円+税)
お待ちしてました―と申し上げたい内容の本だ。表紙の写真が良い。祖父のもとに駆け寄る幼い武子の後ろ姿をとらえた情景の写真がすてきだ。場所は文京拓大の隣接地、小日向台町ニトベハウスか?と思ったらジュネーブだった。従来の出版物「新渡戸稲造伝」では読むことが出来ない話の内容がずらり。
口絵も第1次世界大戦戦跡視察団(1919=大正8年)後藤新平学長と新渡戸学監が並んだ写真も数点あった。10月16日は新渡戸名誉教授召天記念日だが、東京・多磨霊園の墓前写真には、北大や、東京女子大同窓会からの花束が捧げられている。わが母校は何をしているのだ―と問いたくもなろう。学内の創立百年史編纂室から「ノーベル平和賞に推したい人だ」と過ぎ去った時代を惜しむ声があがった。(M)
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