月刊Hanada 6月鈴蘭号
花田紀凱 責任編集(飛鳥新社、950円)
総力大特集<習近平の犯罪!>の中には「中国工作員の標的は防衛省」(時任兼作)が目を引いた。当然ありそうなことだ。「中国のスパイ工作は日本全土で活発。信じられないような組織や場所に入り込み、機密情報を簡単に入手している」(関係者)たとえば自衛隊の幕僚幹部教育訓練部監修の改訂版に「用済み後は確実に焼却する」(全535ページ)の内容を素早く頭にたたき込む一般学生の中国人がいて当たり前。
防大への工作員の侵入のほか、政治家を通じて防衛省への接近や、中国政経懇談会へ招待された参加者が手厚い接待を受け、飲み食い抱きの交流もあるとか。中国スパイの陣容の厚さは大学の学者グループだけでも500人、語学に堪能な女性も多い。
堤堯・久保紘之の両ジャーナリストも手厳しい。戦後日本は戦争を知らない。戦前派の閣僚でさえ、ルーズベルト大統領に仕掛けられて開戦を迫られた。真珠湾奇襲攻撃に成功と言っても空母部隊は遠くにいた。旧式戦艦だけが犠牲になった。それより前、1919第1時世界大戦のパリ講和会議に人種差別撤廃法案を日本が提出し(注=人種の色と地の境 我が立つ前に差別なし―の拓大校歌が生まれた時)会議は賛成したのにアメリカ大統領ウィルソンが「賛成多数ではいけない。全会一致にしろ」とひっくり返した。
鈴木宗男衆議院議員が<総理としての風格が出てきた菅総理>を8ページ分。拓大68期生である。巻末連載<一比較研究者の自伝>(平川祐弘東大名誉教授)の路面電車 昔の王子電車、いま都電荒川線。大塚でバスに乗り換え、窪町にある付属小学校へ通うお話しがうれしい。区立窪町小はバス停の前にあり、官立付属小は旧高等師範~文理大~教育大~現筑波大付属と校名が変わった。学帽リボン付き。(M)