月刊Hanada 8月草笛号
花田紀凱 責任編集(飛鳥新社、950円)
先に目次を一望すると<グラビア 追悼・横田滋さん>のページに「滋さんの決断が拉致を国民的課題にした」荒木和博。真っ先に目にとまった。荒木氏は拓大海外事情研究所教授だ。横田さん一家とは23年間も行動を共にした人だ。言うまでもなく憂国の志士。あるとき新宿西口における横田めぐみさん救出運動でスピーチ台に立つ荒木教授を見た。言うまでもなく危険きわまりないお仕事である。小生は、万が一に備えて周辺を見張った。危険を察したら身代わりになって荒木先生をお助けする覚悟であった。その日、何事もおきなくてよかったが、命がけのお仕事と今でも感服している。その荒木氏が一度も横田ご夫妻を本学にお連れしてこないのは残念だった。
「菅義偉総理」待望論(小川栄太郎)は、やはり読ませる。菅氏が大学空手部出身ということで以前から注目度は高かった。「犠牲者はインドネシア漁民―中国版地獄の“蟹工船”」(大塚智彦)も読ませてもらった。船内での死者が水葬されることは以前からあることだ。しかし、新聞報道より詳しいインドネシア側の取材と分析は、少しでも大学インドネシア研究会に在籍した拓南会員として読みとばすことは出来ない。
西川清史の今月この一冊「東京凹凸散歩」では永井荷風の小日向周辺の話とか、高田文夫の「東京に思いを馳せる古今の本」とか、なべおさみ「エンドロールはまだ早い」のマーロン・ブランド㊤がお勧めです。(M)