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昭和十八年 幻の箱根駅伝 ゴールは靖国、そして戦地へ

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澤宮優(河出書房新社、1800円+税)

昨年12月「文藝春秋」新年号に掲載され、単行本出版が待たれていた。昭和18年10月には文系学徒が根こそぎ徴兵され、出陣学徒壮行式を経て前線へ出された。箱根駅伝は、それより早く昭和15年で中止になっていたのを学生の熱意で形を変えて3年ぶりに復活した。著者は資料も、生存者も乏しい困難を乗り切って追跡取材を続け、ついに悲願達成!

著者は1964東京オリンピックの年に熊本で生まれた。青学大と早大二文を経てノンフィクション作家。たまたま青学大が箱根に挑んだ始まりが、この大会だった。参加11校の成績は①日大②慶大③法大④中大⑤東京文理大(筑波大学前身)⑥立大⑦早大⑧専大⑨東農大⑩拓大⑪青学専門部―(明大不在)

そもそも箱根駅伝が大正9年に初開始される前の大会は大正6年4月。京都から東京上野まで読売新聞社後援で東西対抗形式タスキをかけ、関東組は東京高等師範学校=体育専攻科(筑波大)旧制一高(東大)東洋協会植民専門学校(大正6年改称拓大)と早大の生徒たち。以下母校拓大の名は本書の至る所に記載される。

この「幻の箱根駅伝」を走った選手は▽1区杉原弘(大分県中津市・京城公立中―学40期)▽2区山本雅男(湘南中―学部44期、戦後復活出場の監督・コーチ)▽3区森田肇(佐賀―学40期)▽4区三橋弘(?)▽5区小梨豊(気仙沼中―44期)▽6区入江光行(秋田中―学43期)▽7区後藤改め鈴木弘春(東京府立実科工―学44期)▽8区倉持几康(キコウ)(第2東京市立中―同)▽9区佐藤寿郎(成城中―学40期)▽10区三上晃(修道中―同)の諸先輩であった。現陸上競技部支援会やファン各位こぞって購読を願う。山本先輩(山本みどりさま)はじめ、ご家族からの連絡と資料提供もお願いする次第です。(大学百年史編纂室・宮澤正幸)

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