雄弁会弁論原稿の紹介「安心して子供が産める世の中へ」

 

第12回五月祭記念弁論大会

優勝 速山武士(拓大2年)演題「安心して子供が産める世の中へ」
準優勝 前田修志(東大2年)
第3席 竹下力哉(慶大2年)

拓大Culture!にも掲載されていますのでご覧ください。


導入

「子供は欲しい?」「うん、26、7ぐらいには産みたいかな」これは私と彼女との他愛もない会話。彼女は将来子供が欲しいそうだ。勿論私も欲しい!諸君らの中にも子供が欲しいと思う人はいるだろう。

子供が欲しい人は手挙げて!(アドリブで会話)諸君ありがとう。

現状分析・問題点

では実際、子供が欲しい人はどのくらいいるのだろうか。政府の調査によると35歳未満の未婚男女の約8割が子供を希望している。

また子供がいない、あるいは第一子がいる既婚者の75%が出産意欲がある。これを総合し、数値化してみると女性一人辺り平均2.25人子供を産みたいとなる。やっぱり皆子供が欲しいようだ。しかし実際は一人辺り1.42人しか産めていない。つまり希望通りの出産ができていないのだ。

理念

なんということだ、子供が欲しいというのに産むことができないとは…。私や彼女、もしかしたら先程手を挙げてくれた諸君も子供を持つことが出来ないかもしれない!もしそうなってしまうなら…我々は黙っている訳にはいかない!

我々は問おう!子供を求める夢、この夢はワガママな夢だろうか。我々は答えよう!そんなことはない、子供を求める夢は人類不変の夢である!

子供が欲しくとも持つことができないような世の中。そんなものあってたまるものか。我々は幸せな未来を目指すのだ!

我が弁論の目的は、子供を安心して産める世の中にし、幸せな未来を目指すものである!

重要性

しかし中には「子供を産めないのは個人の問題ではないか」と、思う人もいるだろう。もちろん否定はしない。

しかしこの問題は個人の問題を越えて社会の問題になっている。そう、それは「少子化」として。

人口維持には子供を最低2人以上生まなくてはいけないが先程述べた通り今は1.42人しか子供を産めていない。そのため2050年には人口が9000万人まで減少。

それに伴い地方自治体は半分が消滅すると言われている。他にも働き手が減ることで慢性的な人手不足、それによって日本経済にもダメージを与えてしまう。子供を欲しい人が安心して産める世の中を作り、少子化を解決することは日本にとって最優先事項である!

原因分析

それでは何故子供を産めないのか。大きく分けて三点の原因がある。

まず一点目は経済的理由にある。内閣府の調査で結婚希望がある未婚者に結婚を決心する条件を聞いたところ、男女とも「経済的余裕」を一位に挙げた。

日本は非嫡出子が2%なので未婚ということは子供を持たないということになる。また結婚しても希望の子供数を持てない理由を調査したところ子育て費用が、かかりすぎてしまうからが1位となった。実際、国民生活白書によると子供一人辺り約1200万円かかるとされる。まさに家が買えてしまうほどだ。このようにお金が原因で結婚や出産を諦めてしまう人が多いのだ。

二点目は子育て環境の厳しさである。もし結婚しても子供を育てるためにはお金を稼がなくてはならない。今は6割が共働きである。

なら子供を育てるときどうするか。核家族化は進み、6割まで増加。託児所に預けようにも待機児童も5年ぶりに増加、これでは確実に預けられない!このような環境のため育てられないと判断し、産まない人が増えたのだ。

三点目は晩婚化・晩産化である。残念ながら子供はいつでも産めると言うわけではない。女性は35歳から急激に卵子が老化を始め、流産や先天異常のリスクが上がる。そうなると年齢的に厳しく子供を諦めなくてはならない。無論、今は国が不妊治療への補助を出すなど対処はしているが人間のからだゆえ、限界がある。実際内閣府の調査によると35歳以上で子供を諦めた理由は「年齢や健康上の理由」が一位であった。結婚平均年齢は女性29歳であり、これでは年齢が遅く第二子や第三子が産めなくなるのだ。

先のほど述べた原因一点目を踏まえて考えると、経済的余裕が無いため結婚が遅くなり、年齢的に出産が厳しくなるのだ。

解決策

このままでは安心して子供を産むことができない。この現状を打破する3つの政策を提言しよう!

1つ目は政府による子育て貸付金を創設すること。これは第一子が産まれた家庭に最大1000万円を貸し付けるのである。

年間の貸付限度額を50万円とし、借りなかった分は翌年に繰越して借りることが出来る。これを長期スパンで行い、その間利子は発生しない。そしてこれはただ貸し付けるだけではない、第二子が産まれたら返済額は半額、第三子が産まれたら全額返済免除になる。第一子にかかる費用が1200万円。第二子以降は費用が徐々に減っていき、もし第三子まで育てたら2880万円かかるとされる。しかしこの制度を導入すれば1880万円、つまり1.3人分の費用で三人の子供を育てることができるのだ。無論、一人だけ子供を設けた場合も使える。これは将来への投資なのだ。これによって子供が欲しいがお金が無いから諦めてしまう人達を救うことができる。

2つ目は家庭内子育て支援計画を行う。原因で述べた通り共働きをしながら子育てしやすい環境がまだ整っていない。しかしそのような環境はすぐに整えられるものでもない。外がダメならば、家庭を中心に育てられるようにすればよいのである。そのためには専業主フを支援していく。

無論、無理強いはしない。しかし厚労省の意識調査によると20代女性の約4割が専業主婦を希望している。またある検定協会の調査では男、つまり夫の方の専業主夫を3人に1人が希望している。このようになりたい人たちが専業主フになり家庭中心に子育てできる環境を整える。

またベビーシッター制度も併せて普及していくことで共働きの人にもアプローチしていく。家庭内子育てが増えることで待機児童や託児所の児童数が減り、待つことなく預けたい人が預けられるようになる。だが現在専業主フになったとしても資金面が原因で結局共働きになってしまう。

なので国がサポートをしていかなければならない。そのために政策として年収695万円以下で、なおかつ専業主フと未成年の子供がいる家庭の所得税を一律5%にする。そして第二子ができたら税率を4%、第三子ができたら2%にする。もし年収が500万ならば、年間最大85万減税となる。このようにすることで子育て環境の有無に左右されず、子供を育てることができる。

そして3つ目は性の統一テストを行う。先程述べた通り子供はいつでも産めるわけではない。しかしそれをどれだけの人が知っているだろうか。

政府の調査では35歳以下の女性の4割が妊娠と年齢の関係を知らなかったのだ。どれだけ経済的に支援があっても当人逹が出産への理解がなくては意味がない。政策として16歳から35歳までに性に関する統一テストを実施。

点数が低い場合は次年度も実施、言うならばセックスリテラシーの向上を目指す。これによって出産の適した年齢を越えて「ああ、もっと早く結婚、出産しておけばよかった」という人を減らすのだ。

私は彼女と同じように子供を産みたいと思ってる人達に安心して産んでもらえる世の中目指す。それこそが皆の幸せに繋がると信じて、我が弁論を閉じさせていただく。拝聴ありがとう。

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