阿波踊り 学友会連~40人の拓大踊る阿呆~

 

普段の穏やかな街から一変し、踊り天国へと変貌する徳島。ここでしか味わうことの出来ない踊り一色の四日間。街に繰り出せば心の奥まで轟く鉦と太鼓に加え、笛、三味線の浮き拍子が踊り子の心と体を弾ませ、踊りの渦に次々と巻き込んでゆく。観客も心はすでに渦の中。その渦の中で笑顔と笑顔が二拍子のリズムで重なり合った。観客の体が渦の中へと引き込まれ、また一つ笑顔の泡が湧き上がる。

阿波踊りは素朴で簡単。二拍子のリズムで手を挙げて足を運べば阿波踊り。誰でもすぐに踊りに参加できる特長もあり、8月はほぼ毎日どこかで開催されるほど全国的に広がりをみせている。毎年8月末に行われる東京高円寺の阿波踊りは50年以上の歴史があり、例年120万人が訪れる。その他、南越谷、三鷹、下北沢、初台、神楽坂、中目黒、大塚、都立家政、中村橋、経堂、糀谷、小金井、神奈川大和、埼玉狭山ヶ丘、山梨大月、静岡裾野、大阪吹田、兵庫洲本、岡山赤磐、山形市、北海道仁木町など各地で行われている。また来年5月にはフランス・パリで大規模な阿波おどりの祭典Awa Odori Paris 2015 の開催が決まり日本から徳島から世界に踊り込んでいく。

熱気に渦巻くオレンジの波

2014阿波踊り学友会連①

8月15日、阿波踊り四日目の最終日。熱気は佳境を迎え、フィナーレへと向かう踊り子達にも様々な思いが押し寄せる。有名連は美と技の極みを最後まで粋に魅せ、企業連も有名タレントを先頭に演舞場を盛り上げる。ちびっこ連も夏の思い出をしっかりつかもうと目を輝かす。また、終戦記念日を迎え戦争犠牲者の冥福を祈り平和を祈る平和連、あらそわ連は17ヵ国250人、国籍、人種、言葉の壁を超えて阿波踊りで心を結び合う。様々な思いの渦が徳島の街に集結する。

そんな中、際立つオレンジ色の法被に身を包んだ、62期から112期まで総勢40人が藍場浜演舞場に踊り込んだ。先頭は徳島県支部 阿波踊り実行委員長 槇山忠春氏(67期)。拓殖大学学友会と印された高張提灯を高々と上げ隊列を引き連れる。続いて有名連の浮助連所属 古城義夫氏(67期)の独特の網打ち踊りが観客を魅了する。その横には有名連から応援に駆け付けた小川美香さん三木友里江さん大西麻子さんが女踊りで華を添える。更に四列横隊の隊列で県支部長 酒井宏治氏(62期)を中心に、拓大の伝統を感じさせる男らしい踊りで突き進む。夕焼けでオレンジ色に染まった水面に、ひらり ひらりと三枚の花びらが舞い揚がる。その瞬間、狙い定めたように網が放たれた。オレンジ色に染まった水面が二拍子のリズムで大きく勇壮に揺れ動く。観客の熱い声援がまた我々の熱気に代わり、オレンジ色の揺れ動く水面が大きな渦となってゆく。我々を後方からサポートするのは徳島藩主 蜂須賀家政を演じる清水理 連長の踊りと立ち振舞いが人気の本家大名連だ。後方から大名行列をも凌ぐ豪快な鳴り物の中をお殿様が千萬両笑顔で観客に幸福を与えながらゆっくり歩を進める。5年連続参加の富山県 松尾樹氏(97期)もお殿様に負けない笑顔で踊りきる。初参加の岡山県 神原幸次氏(97期)も緊張が取れ、最高の笑顔で踊りきった。

続いて南内町演舞場に踊り込む、阪本寛典氏(112期)と小川慎一郎氏(96期)が隊列の先頭に立つ。隊列を乱さず今回初参加の愛媛県 若穂井学氏(93期)と茨城県 宮崎昌範氏(93期)が熱気に満ちた笑顔を振りまき、更に連続参加の岡山県 日下恵介氏(69期)愛媛県 森達正氏(72期)が腕を大きく揺らし存在感を見せていく。後方より横田啓二氏(64期)西條勝行氏(64期)が隊列を見守るように進む。次々と浮かび上がる拓大男児の笑顔と光る個性的な踊りに観客が湧く。まさに踊る阿呆の笑顔が阿波の力の源だ。

2014阿波踊り学友会連②2014阿波踊り学友会連④

湧き上がる笑顔と充実感

夜も深まり眉山に浮かぶ月も傾きだした。今年の阿波踊りも終宴を向かえようとしている。最後に踊り込むのは紺屋町演舞場、県副支部長 江口浩史氏(87期)が高張提灯を大きく揺らし、女性達が先頭で踊り込む。岡山県 日下秀子さんは去年にも増して優雅さに磨きがかかり、岡山県 神原千恵子さん、愛媛県 森夏江さんもぞめきのリズムに体が共鳴する。その後に埼玉県 岸井昭生氏(95期)神奈川県 吉田和史氏(94期)が完全燃焼に向け腕を高く上げる。中央から鈴木敏之氏(79期)が声を張る「踊りは拓大!ヤットサー、ヤットサー」全員がさらに腰を落として足並みを揃える。最後方で横田氏娘婿のイギリス人 ポール氏が巨体を生かして拓大の幟を大きく振る。オレンジ色の蝶が舞い、意気込んだ荒波が演舞場に押し寄せ、オレンジ色の波しぶきが大きく宙を舞う。心意気を観客の興奮が包み込み、拓大踊る阿呆達に歓喜の波が広がっていく。みんなの思いは繋がった。ひたむきに踊り、苦しくても笑顔を絶やさない。拓大の伝統に誇りを持ち、熱い思いを踊りにのせて一年に一夜だけの完全燃焼の夜。喜び、感謝、願い、さまざまな思いを胸に力の限り踊りきる。

最後の演舞場を終え振り返ると、充実感と共に今までとはちがう笑顔が湧き上がる。また来年も踊ろう。そんな思いを繋げるように自然と大きい拓大男児の輪が出来た。神原幸次氏の掛け声のもと興亜の雄図、カチマス踊り、押忍三唱で締め括り、平成26年度の阿波踊り拓大学友会連の解散となった。

梶達矢(94期)

2014阿波踊り学友会連③2014阿波踊り学友会連⑤

お礼

今回、拓殖大学友会連を結成するにあたりまして各県からのご参加、誠にありがとうございました。ご後援頂きました学友会本部ならびに拓大後援会からのご配慮はもとより四国連合会の皆様、各方面で御尽力を頂いた皆様方に大変感謝いたしております。この場をお借りしてお礼申し上げます。

尚、来年の拓大学友会連結成は8月14日(金)の予定です。初心者でも大丈夫、基本から心を込めて指導いたします。阿波踊りを通じて拓殖大学のPRと学友の親睦を深めましょう。ご家族、ご友人、同窓会を兼ねてのご参加も大歓迎です。皆様のご参加心よりお待ち申し上げております。

(徳島県支部一同)

2014阿波踊り学友会連⑥2014阿波踊り学友会連⑦