花形先輩の地域ボランティア
山梨県警に奉職されていた拓殖大学髙橋アフガン会顧問の花形友夫先輩(70期、山梨県警OB)が、定年後地域社会へのボランティア活動を始めました。
花形先輩は在職中は主に刑事、生活安全部門を担当しておりました。連日の張り込みや休日返上での捜査を積み上げた結果、山梨県警での検挙歴を塗り替える等、輝かしい成績を残されました。しかしながら無理を続けた事により大病を患い、落ち着いた環境での勤務に異動する事になってしまいました。幸いご病気は異動先での地域住民との交流や温かい励ましによりほどなく回復に至りました。
花形先輩は退官にあたりこの経験を振り返り「在職中は県民各位の大切な税金で生活を送らせてもらえた。そして大病をした時は、地域の方々の助けにより病気を治す事が出来た。せっかく拾った命。故郷の為に役立てよう。この命が尽きるまで…」と決意し苦楽を共にした奥様と一緒に地域ボランティアを始めるようになりました。
主な活動を簡単に御紹介申し上げます。
① 児童虐待被害の子供との農作業
ご自身の畑を開放し、子供達と一緒にサツマイモを育てています。植え付けから、草むしり、収穫、焼き芋大会まで、年間を通じ土と触れ合うことにより、傷ついた子供の心を癒し、かつ健やかに成長させるお手伝いを行っております。
② 豪雪地帯における雪おろし
山梨県は昔は甲斐と称し、隣国の越後とは「川中島の合戦」や「塩の交易」等、歴史的に深い関係が有りました。そしてこの越後の豪雪地帯に、過疎化が進み雪下ろしが難しくなった集落がある事を知り「我が故郷甲斐は越後の塩で助けられた事が有った。よしそうであるならば、雪下ろしでその時のお返しをしよう」こう決意し、コシヒカリで有名な魚沼市付近において、地元主催で行われる除雪作業に参加しております。
③ 啓蒙活動
ボランティア活動はマンパワーが必要です。その為その力を増やすべく、2013年からご自身の人脈を駆使し、日本赤十字社の下部ボランティア組織「日赤奉仕団」に男子部を立ち上げました。このグループは地元の社会福祉協議会とタイアップし、独居老人等への配食作業を行っております。又、警察官時代に身に付けた「救急法」「災害時における無線活用技術」等の講習も行い、知見や技術の伝承に努めております。
最後に、花形先輩は広範囲のボランティア活動で感じた事を次のように語っております。
「活動を通じ多くの子供、お年寄りの笑顔に接する事が出来た。その笑顔は私の宝物だ。ボランティアでお尋ねした時は不安そうだった現地の方、緊張した面持ちの方でも、一緒に活動を行うと皆さん喜んで下さる。心を通じ合わせる事が出来た結果だと思う。この事から一人ひとりの小さなボランティアが社会を変えていくのだと信じるようになった。人との繋がりが希薄となっている今だからこそ、この喜びを多くの人に伝えたい。そして、一人でも多くの拓大生がボランティアという形で、地の塩になってもらいたい」と。
拓殖大学髙橋アフガン会 幹事長 丸山 聡(92期)