会長 平成21年度にむけてのご挨拶
拓殖大学学友会会長 松村 豊
いよいよ、本学学友会にとって百周年の節目の年を迎えました。昨秋、米国の金融危機に端を発し、世界規模で経済不安の状況が発生しました。創立20周年を記念して制定された本学校歌にある「人種の色と 地の境 我が立つ前に差別なし」と並び、聖書から引用された「地の塩となれ」という教育方針は、今日、言いかえればグローバリズム下での活躍を願ったものと言えると思います。世界および全国各地におられる学友各位が今一度、本学建学の精神に立ち戻り、グローバル時代に初めて遭遇した「危機」に立ち向かい、乗り越えて行かれる、新たな出発の年になることをまずは祈念いたします。
さて、平成20年度の成果としましては、2月に開催した全国支部長会議、82支部の会長が一堂に会してくれました。これは30年ぶりのことだそうです。5月には代議員総会が開かれ、学友会費が年々先細り、やがて枯渇するのではないかと危惧されるテーマについて議論がなされ、「終身会費制」について本学のご了承が得られ、授業料とともに現役学生より徴収される案が通りました。これにより、財政的に学友会が不滅のものとなったことは大きな成果であると存じます。また、同総会において、今年度に実施されます「拓殖大学学友会百周年記念事業」に関して、内容と予算のいずれも原案を満場一致で採択されました。ブラジル関係では日伯移民百周年記念事業にあわせて訪伯団を結成、拓殖大学ブラジル国物故者慰霊祭に参加しました。同じ頃、山口県萩市において百周年記念事業の一環である校歌石碑を桂太郎公旧宅敷地へ寄贈する式典が開かれました。また、11月、アジア・ヨーロッパ支部大会を本学建学の礎ともなった台湾の地で、李登輝元総統の講演を賜り開催されました。本学への留学生も増えている折から、国外での学友会の活動が活発化することの意義を感じました。
さて平成21年度事業についてですが、上に述べましたように本学学友会百周年の記念事業を始め、学友会の活動の柱でもあります現役学生の就職活動支援、優秀なる学生を募集する活動、文化・体育部への支援活動、そして国際的視点での支部活動の充実についてますます成果を上げていく所存でありますが、一方で学友会員の中でさまざまな分野で要職に就かれている方々による横断的な会員活動も奨励していきたいと考えております。
「百年の計は教育にあり」という至言に思いをいたし、これからの時代に良き人材を輩出するという目途をもとに、大きな成果を上げたいと肝に銘じております。学友会各位のいっそうのご理解とご協力をお願いし、新年度のご挨拶といたします。