HOME >  > 吾人の抱負(明治四十三年頃)

一、夕ばえ空をこがすとき
  紅葉ヶ丘のますらをが
  入日に立ちて眼もはるに
  望む天外幾千里
  風雲密にとざせども
  天地そぞろに広きかな

二、あゝ崑崙(こんろん)の峯折れて
  黄河の流()せしより
  あゝ長白の色あせて
  半島の秋ふけしより
  西の嵐の吹きあれて
  東亜幾度どよめける

三、鶏燐(けいりん)の草いやふかく
  黄龍今に眠れるを
  (じか)()す朝日東海の
  潮の八百路に輝かば
  常夜の空もあかつきの
  音にこそあくれほのぼのと

四、東亜のどよみ救ふべく
  暁鐘(ぎょうしょう)たかく(なか)すべく
  (かた)きこころの一徹に
  集ひてここにますらをが
  かざす不撓(ふとう)の旗印
  大空たかくかゝるかな

五、()南溟(なんめい)に浪立ちて
  黒風空に()ゆるとも
  妖電 地を動かして
  北州山は裂くるとも
  進取の剣開拓の
  (やいば)は植えむ底ふかく

六、近西(きんざい)風露しげくして
  諸強分野の秋の色
  しぐれて ()れて折ふしに
  うつれば変る国のさま
  平和の真楯(しんじゅん)吾取りて
  正義を高く叫ばなむ

七、丘の名に負ふもみぢ葉の
  あかきは吾等の心なり
  ()とせの(ちぎり) おぢかくも
  ながき理想(おもい)のまき柱
  八重のむら雲つらぬきて
  守る健児の意気高き

Copyright (C) 2008 Takushoku Univ. Alumni Association All Rights Received