月刊Hanada 10月秋桜号

 

表紙

花田紀凱 責任編集(飛鳥新社、950円)

追悼・李登輝=『李登輝さんに報いる私の宿題』(金 美齢)『日記に綴られた戒厳令下の密会』(柚原正敬)『「日本精神」は台湾人の誇り』=講演再録(李登輝)の特集は是非物である。本号の最終ページ(編集長から)に花田さんが書いているのは「何か、世界で大きな政治的事件が起こった時、この人の知見を伺ってみたいという政治家が日本には少ない。李登輝さんはそういう存在でした。桃園県大渓(注=台北市の郊外か?)の御自宅で三度、話を伺いました。…ご冥福を祈ります」

グラビア8ページに23葉の写真が歴史をつづる。2007年5月来日、念願の芭蕉記念館を訪問した時の「旅立つ人に安全を祈って」の杖をプレゼントされ、とてもうれしそうな笑顔。1997台北の迎賓館では初めてダライ・ラマ氏と。古い写真はモノクロで、1937台北国民中学の時、淡江中学剣道部2段の勇姿もよい。旧制台北高等学校卒業―京都帝国大学農学部農林経済学科1年生の角帽姿も…。茗荷谷たより今号に予定した当学友会アジア・ヨーロッパ学友大会(2008年11月)の李登輝拓殖大学名誉博士講演録全文(先方の求めに応じて宮澤正幸作の原稿)は紙面都合で次号回しとなったことをお断りし、9月19日台北市郊外キリスト教の真理大学教会における実質的な国葬に対しても遥か茗荷谷の拓大校舎から合掌でお見送りします。

なべおさみ(エンドロールはまだ早い)は「マーロン・ブランド」とか、月刊Takada「ラヂオの時間ですよ」(高田文夫)のソフトで、楽しい読み物。そして巨弾連載・一比較文学者の自伝?「シンガポール」平川祐弘(東大名誉教授)では<太平洋戦争と大東亜戦争>と<歴史を素直に見つめたい>など日本人として、いささか痛快さを覚える読み物が有難いと思えた(M)

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