月刊Hanada 9月酷暑号
花田紀凱 責任編集(飛鳥新社、840円)
花田編集長に約束の原稿を届けたのが7月20日夜。お留守だった。25日帰宅すると9月号が届いていた。おもしろいページばかり連綿と続く。グラビア「甲子園名勝負ベスト10」では、やはり明徳義塾3-2星稜の馬淵史郎監督に「ヒールのイメージがつきまとった」こと。特に朝日の正義感の強い記者がいた。そのままいけばいいのに、ある年に明徳義塾が優勝すると、志がとたんに一変する。問題は便乗メディアにある。小生など「馬淵監督は野球ルールを守って策を立てたのだ」と初めから彼の法律とスポーツ精神支持だ。サッカーW杯の日本監督と馬淵監督それに松井秀喜氏(終始立派)の3人鼎談やったらどうか――。
しかし9月号は、いつもより斬新な読み物がそろった。徳川慶喜の章は、NHK「西郷どん」と見比べてもいい。サザエさん「戦時下に咲いた恋花」は筆者工藤美代子氏によって秘話続出。涙も出そうな裏話だ。
産経新聞名物記者座談会は、じっくりと読めた。身につまされる思い、ということもあった。「台湾の日本精神」蔡焜燦氏。阿川佐和子氏「ジャンケンポン」にとどめを刺す?とでも申し上げようか。とにかく読み応えのある9月号でした。(M)