村中博文氏がガダルカナル島・硫黄島での遺骨収容に参加

   2014/03/25

村中博文氏がガダルカナル島・硫黄島での遺骨収容に参加

元海上自衛隊1佐で拓殖大学高橋アフガン会顧問の村中博文先輩(空手部70期)が、一昨年夏から昨年秋にかけ、大東亜戦争で尊い命を捧げた方々の祖国帰還活動を、ガダルカナル島(以下ガ島と称す)及び硫黄島において行いました。

特にガ島における活動は「有志の自主的派遣」という純然たるボランティア活動であり、厚生労働省等公的な支援はほとんどありません。有志団体である全国ソロモン会とJYMA日本青年遺骨収集団(特定非営利活動法人)という学生団体が中核となり活動を行っており、現役拓大生も多数参加しております。更に我らが拓大もJYMAの協力団体としてこの活動の支援を行っております。

村中先輩は8年前に自衛隊を退官され、故郷で大学講師として約5年活躍された後、自衛隊奉職中から熱望されていた遺骨収容のボランティア活動に携わるようになりました。

ガ島では熱帯の鬱蒼とした密林の中で活動を行います。日本人有志一同防暑服に身を包み、むせ返るような暑さの中、人の背丈程にも成長した藪や潅木を踏み分けながらご遺骨の捜索・収容活動を行います。その統率のとれた清々しい態度と行動は、現地の方々から絶大な称賛と積極的な協力を得ております。これは長年にわたる遺骨収容活動の傍ら、現地の方々と文化交流を行い信頼関係を構築してきた結果によるものです。

ガ島で収容されたご遺骨は、現地で日本人僧侶による読経とともに荼毘に付されます。遠く外地に出征され、そして長い間現地で眠らせてしまった方々に、ようやく帰還して頂く事が出来る。「安らかにお休み下さい」そう念じつつ読経は静かに続けられます。

ふと海を見ると、オレンジ色に染まった夕日がゆらゆらと水平線の彼方に沈んで行った時がありました。まるで夕日も「やっとゆっくり休めるね」と英霊に優しく語りかけているような光景でした。

又硫黄島では、硫黄ガスの吹き出る塹壕からご遺骨を収容した事があります。恐らく火炎放射器によるものか黒ずんでいるものが多く、当時のご苦労を思うと涙が出てきました。

帰国後、村中先輩はこう回想しております。現地をはじめとした当時の激戦地には未だ祖国に帰れない方々がたくさん残されており、それを思うと胸が痛みます。戦没した方々に一日も早く祖国に帰還して頂きたいとの思いは変わりません。今後も体力が許す限り活動を続け、「押忍」の誇りを持ちながら遺骨収容に励みたい。

そしてこの活動を通じ多くの拓大関係者と出会いました。ガ島では山口美朝拓兄(110期、国際ビジネス学科)、硫黄島では石垣拓真拓兄(同、厚労省職員)と上瀧浩然青年(拓大卒ではないが、お父上が75期上瀧政登先輩)。

彼らのような熱き血潮を持った青年と一緒に作業を行い、そして語り合えた事は非常に喜ばしく、改めて拓大特有の濃密なネットワークを嬉しく感じたものです。

しかしながらこのようなボランティア活動に参加する学生はアルバイト等で費用を工面しております。現代日本の礎を築く為に尊い命を捧げた方々を一日も早く帰国させたい。そんな純粋な気持ちを持ちこの活動に参加している学生に対し、今後格別の温かいご理解とご支援を皆様より頂戴できれば、これに尽きる喜びはございません、とのことでした。

拓殖大学高橋アフガン会幹事長 丸山聡(92期)